投稿日: 2002/06/23(Sun) 23:44
投稿者砂時
Eメールeaab7622@mb.infoweb.ne.jp
タイトルしんじさんの作品『二人の世界』の感想です
URL
こんばんは、しんじさん。砂時です
受験勉強のおかげで、夏が感じられないこのごろです。遊びに行く予定はないし、誘ってくれる友達もいないし(別に友達がいないということではなくて)予備校はクーラー効きすぎてるし……これは関係ないですけど

そういうわけで、『二人だけの世界』の感想です

まずは最初に思ったことを率直に
「この主人公って、しんじさんその人なんじゃないか……」
年齢は近いし、詳しくはわからないけど職業は同じっぽいし、性格まで似ているとくればここのサイトの人たちならきっと私と同じことを思うに違いない。そう思っていたらこの作品はフィクションだと釘を刺されてしまいました。どのあたりまでフィクションなのかは気になるところですが……

雰囲気としては少し大人っぽいものになっていましたね。主人公が満たされていると言っている割にはどこか空虚な発想をしているところなど、いい味が出ていると思います。分量は十八枚と少なめでしたが、うまくまとまっていて充実した内容になっていると思います。読みやすさも文句なく、日常的な会話がそれを助けているように思えました

正直なところ、気になるところはあまりありませんでした。心理描写も含めて特に問題はなく、うまく書けていたと思います

それにしても、一人称って簡単なのでしょうか? 前にしんじさんに薦められて(覚えてる?)一人称を練習して企画短編でも作ってみようと思ったのですが、失敗……何というか、本当にうまくいかないわけです。これからも練習は続けますが、しばらくはお披露目できそうにありません。そういうわけで、一人称の小説を書くならぜひともいっぱい作ってください。自分なりに学ぶべきものを学ばせてもらいますので

それでは、また 


投稿日: 2002年06月24日 13時31分
投稿者しんじ
Eメール
タイトル砂時さん、ありがとうございます
URL
ちは。
毎度感想ありがとうございます。

>受験勉強のおかげで、夏が感じられないこのごろです。

うーむ、受験勉強ですか。大変ですね。
でも僕が思うに、毎日2、3時間集中して勉強してさえいれば、遊んでても大丈夫なんじゃないかと思うんですが、それは大学受験をしてない人間のセリフでしょうね。

>まずは最初に思ったことを率直に
>「この主人公って、しんじさんその人なんじゃないか……」

一人称小説の良さのひとつに、心理描写があげられると思うんですよね。
いや、正確にいうと心理描写がくどくなりにくいってことでしょうか。
で、心理描写をなんやかんや書き込んでるうちに、僕に近い人間になってしまったわけですね。
まあ太宰治にしても一人称主人公はやたら死にたがりですし、筒井康孝にしても主人公はだいたい作家。
一人称小説の形もいろいろあると思うんですが、この作品の場合その系統になるんでしょう。


>どのあたりまでフィクションなのかは気になるところですが……

フィクションとはいえ、ノンフィクションの継ぎはぎみたいなもんですよ。
中学校の近くのアパートに住んでるのは兄夫婦。真夏にそこまで歩いたのも事実。中学生には当たり前のことなんですがね。

>雰囲気としては少し大人っぽいものになっていましたね。

そうですね。ジュニアノベルっぽくはありませんでしたね。
いちお、このサイトはジュニア向けってなってますからね。気にしてないけど。

なんにせよ、この作品を基本的には誉めていただいてるようで安心しました。
僕は高慢で口が悪く、人に気を使うようなことの少ない人間ですからね。
そういう人間が書いた一人称。そういう人間を受け入れることができない人がいるように、もしかしたら受け入れられにくいかもしれない、と心配してたんですよ。
よかった。

>それにしても、一人称って簡単なのでしょうか? 前にしんじさんに薦められて(覚えてる?)一人称を練習して企画短編でも作ってみようと思ったのですが、

一人称って、ある意味簡単なんでしょうが、実際はそんなことはないと思います。書きやすいって言う人はいるみたいですけどね。
一人称を薦めたのは、もちろん覚えてますよ。僕がそう考え出していた時期でしたからね。
人それぞれに合った形ってのがあるわけで、もっともその人の個性を発揮できるのは一人称かもしれない。いや、もしかしたら二人称か?
いろいろ試してみよう、という意味で言ったんですよ、アレは。
あと、エミリアを一人称で書けばもっとかわいらしく書けるんじゃないか、とも思ったからです。新井素子みたいになりそうですが。
いやいや、一人称を学ぶなら見本はたっくさんありますからね。

読む、書く、読んでもらう。
それをひたすら繰り返していれば、誰だって作家になれると信じてます。ただそれを続けられるか、だと思うんですよね。
受験も大変でしょうが、なるべくたくさんの本を読んでいきましょう。書く方は、ほっといても書きたくなりますからね。

ということで、感想ありがとうございました。


投稿日: 2002年06月25日 00時54分
投稿者アザゼル
Eメール
タイトル感想二人目です♪
URL
どうもお久しぶりです。
アザゼルです。
久しぶりに感想書くので、
もしかしたら変な感想になるかもしれないですが、
そこは勘弁してください(元から変な感想だったじゃないかという突っ込みは無しで(笑))

さて、
今回は一人称でした。
実は前から私も何度か挑戦したんですが、
一人称というのは難しいです(涙)
特にしんじさんも仰られているように、
心理描写をフルで描写する、これが実に困難なのです(もちろん私にとってですが)
さっぱりし過ぎても味気ないし、
くど過ぎると読みにくい。
ただそういった意味で、
この「二人の世界」の修二の心理描写は絶妙だったように思えました。
若干少ないように感じましたが、
それがしんじさんの作風とあいまって、
いい感じに仕上がっていたような気がします。
或いは修二の「変わっている」ところをうまく引き出せたのではないかとも思います。

んで、この作品の一番良かったところ。
それが、
「……いや、じゃあまた。……王様」
「マコランドのね。じゃあまた、皇帝!」
「ボーン帝国のね!」
の会話のくだりです。
決してディティ―ルまで描かれているわけではないのに、
その奥の部分まで勘ぐれてしまう部分に、
しんじさんのセンスの良さを感じました。
アザゼルにはこの短い台詞のやり取りがかなりツボでした(笑)

それにしても、
作品を重ねるごとにいい作品を仕上げてくるのに、
やっぱり書き続けるのは大切なことだなーとか今回は妙に感動しました(笑)
特にアザゼルから何かを言う部分が見つからなかったです(それはそれで、ちと寂しい)
では、これからも執筆頑張ってください!
アザゼルでした。


投稿日: 2002年06月25日 11時57分
投稿者しんじ
Eメール
タイトルアザゼルさん、ありがとうございます
URL
>どうもお久しぶりです。
>アザゼルです。

ちは、アホしんじです。

>特にしんじさんも仰られているように、
>心理描写をフルで描写する、これが実に困難なのです(もちろん私にとってですが)

心理描写に関わらず、描写って多すぎるとくどいですよね。
もちろん、美しい異世界の描写、とかがテーマならそれでいいんでしょうけど。


>この「二人の世界」の修二の心理描写は絶妙だったように思えました。
>若干少ないように感じましたが、
>それがしんじさんの作風とあいまって、
>いい感じに仕上がっていたような気がします。

話を考えるよりも先に、「今回は一人称でいこう」と思ってたんですが、
テーマに対して一人称がはまった感じですね。うまく行き過ぎでした。
僕の作風は、描写が少ない。会話分が中心だったりします。
しっかり描写をしようしようと思っても、「こうするとテンポが悪くなって嫌だなあ」と毎回なってしまってたんですね。
なら一人称で書けば、もうちょっと自然に描写ができるんではないか、との考えだったんですね。
それにしても、今回はうまく行き過ぎですよ。
一人称の練習は始まったばかりです。

>んで、この作品の一番良かったところ。
>それが、
>「……いや、じゃあまた。……王様」
>「マコランドのね。じゃあまた、皇帝!」
>「ボーン帝国のね!」
>の会話のくだりです。

この部分って、書いてて妙に恥ずかしかったんですよねえ。
でも、ここがないと作品として成り立たない。
砂時さんから大人な作品とも言われましたが、この部分はものすごく子供じみたもの。
そこを誉められると、思わず赤面してしまいます。

>それにしても、
>作品を重ねるごとにいい作品を仕上げてくるのに、
>やっぱり書き続けるのは大切なことだなーとか今回は妙に感動しました(笑)

そうですよね。
このサイトでも、「才能はありそうなんだけど……」という人でも、いつしか見なくなってる。
よそで書いてるのかも、とも思わんこともないですが、半分以上は書いてないと思う。
道のりが長すぎるんですよね。
会社から帰ってきて、メシ食って風呂入ればテレビを見る時間もなく、寝る時間を惜しんで本を読み、作品を書く。
それを毎日やれ、と言われても「できん!」と言うのが当たり前。
それでも書き続ける理由なんか、もはやよく分からん。
ときどき、30歳までに作家になれんかったらこんなことはもうやめよう、と思わないこともないですが、40になっても50になっても死ぬまで書き続けていけたら、というのが理想。
なんか俺、生きてるな。
こんな時代に、そう思えるだけで幸せなのでしょうね。
と、優越感にひたる。(←これが本音)


まあまあ、そういうわけでがんばっていきましょう。


投稿日: 2002年06月27日 00時12分
投稿者青木梨
Eメール
タイトル感想三人目です。
URL
 こんばんわー。青木です。
 それでは、さっそくですが感想申し上げますね。

 えーと、よかったです。興味のないジャンルのはずなのに、最初の数行で作品の中に入っていて、一気に最後まで読みました。 
 文の引っかかり等がいっさいなく、完成度は最高だと思います。
 というか、そういうことより、単純に素晴らしかったです。
 何というか、主人公の寂しさから、最後の親友との会話まで「うんうん、こういう感じ自分にもあった!」という感じだったから、主人公に最初から最後までとことん共感しました。
 誰も思い当たるようでなんとなく見落としている大切なこと、そういうふとした日常の断片を作品にしてのけるのはスゴイと思いました。
 とても面白かったです。

 というわけで、よくわからない感想でした。すいません。
 それでは、失礼しますね。   



投稿日: 2002年06月27日 13時 4分
投稿者しんじ
Eメール
タイトル青木梨さん、ありがとうございます
URL
ちは。

> こんばんわー。青木です。

青木梨さんは、青木 梨さんだったんですね。それが驚いた。

> えーと、よかったです。興味のないジャンルのはずなのに、

ジャンルは、「どーしよーかなー」と考えたんですけどね。
しかし、青春小説なんてジャンルあるんかいな、とは思ってました。もっと何かいいジャンルが思いつけばよかったんですけどね。読みたいジャンル、と思わせられたらよかったんですが。

> 文の引っかかり等がいっさいなく、完成度は最高だと思います。
> というか、そういうことより、単純に素晴らしかったです。

読みやすい作品というのは、確かに目指してるものです。
しかしそれは飽く迄も、僕のスタイルであり作風であるんですよね。
結局内容がなければ意味がないわけで、うまく言いたいことが言えた上で、読みやすい作品だった、と言ってもらえる。
ありがたいことです。

> 何というか、主人公の寂しさから、最後の親友との会話まで「うんうん、こういう感じ自分にもあった!」という感じだったから、主人公に最初から最後までとことん共感しました。

共感していただけましたか。
僕としては、共感できるような主人公とも思ってなかったんですけどね。
僕らみたいな小説書きには共感できても、それ以外の人には分からんかもしれない。
まあでも、誰でもどこかで僕らのような気持ちは持っているものかもしれないですね。
物語を作ってみたい。誰でも思うだけは思ってるのかも。

> 誰も思い当たるようでなんとなく見落としている大切なこと、そういうふとした日常の断片を作品にしてのけるのはスゴイと思いました。

見落としてる大切なことって、僕なんかは当たり前に持ってるものなんですよね。
たぶんその差が「お前はおかしい」と言われる要因のひとつなんでしょう。
さらに、大切なものをなくさないようにしよう、と思うことでさらに浮世離れしていく(笑)
まあ、世の中の矛盾がここにもあるわけですね。フハハ。

> とても面白かったです。

そして、こう言ってもらえることですべては救われるわけですね。
青木梨さんの作品も最近みませんが、ぼちぼちやっていきましょう。

っつーことで。
ありがとうございました。


投稿日: 2002年06月28日 22時13分
投稿者てぃあら
Eメール
タイトルRe: しんじさんの作品『二人の世界』の感想です
URL
うう、お昼にがんばって感想書いたのに投稿できていなかったことに、今気付きました・・・情けない。PCコワイよー(涙)
気を取り直して感想です。
冒頭とラストの印象がまるで違う。淡々と語られる主人公の状況や心情が、最後のセリフのやり取りをグッと引き立てている気がしました。爽やかだけど軽くない、って感じの話でした。一人称とフィクションの話が出ていましたけど、実際にあった話であるかどうかは置いといて、作者と主人公の社会や物事の捉え方が一致している(あくまで想像ですけど)という印象を強く受けます。だからノンフィクションに感じるのかな。
以上、つたない感想ですがこれからも頑張って下さい!!


投稿日: 2002年06月29日 12時18分
投稿者しんじ
Eメール
タイトルてぃあらさん、ありがとうございます
URL
ちは。

>うう、お昼にがんばって感想書いたのに投稿できていなかったことに、今気付きました・・・

あー、あるある。僕もよくありますよ。
しかも僕の場合、ながながと感想を書く性質なので、投稿できてないとショックも大きい。
それよりも「……」が「・・・」になってますね。似てますけど、ご注意。

>冒頭とラストの印象がまるで違う。淡々と語られる主人公の状況や心情が、最後のセリフのやり取りをグッと引き立てている気がしました。爽やかだけど軽くない、って感じの話でした。

この作品のテーマは、変化とかそういうことなんですよね。それを意識して心理描写をしています。
そして最後に、「二人の世界」だけは変わってなくてうれしい、という単純なストーリー。
種明かしをすると「なーんだ」という手品みたいなもんですが、
小説って、そこに人間性とか哲学とかがそのまま現れると思うんですよね。
爽やかだけど軽くない、と言ってもられるのは、僕自身に対する誉め言葉のようでうれしいですね。


>一人称とフィクションの話が出ていましたけど、実際にあった話であるかどうかは置いといて、作者と主人公の社会や物事の捉え方が一致している(あくまで想像ですけど)という印象を強く受けます。だからノンフィクションに感じるのかな。

いや、フィクションですよ。
創ったストーリーに、いろんな経験を当てはめてるって分ではノンフィクション。
でも、それはどの作品にも言えることですよね。
だからやっぱりフィクションですよね、これは。

いやいや、感想ありがとうございました。
てぃあらさんは、僕の予想では若いと思いますんで、これから一緒にステップアップしていきましょー。
では。


投稿日: 2002年07月09日 22時 5分
投稿者ASD
Eメール
タイトル遅くなりましたが、感想です
URLhttp://www.bb.wakwak.com/~asd/
遅くなりましたが、感想です。

限りなくノンフィクションに近いフィクション、ですね。
別に事実かどうかはそんなに気になりませんが、
作者と主人公が限りなくオーバーラップする、自伝的なノリは悪くないな、と思いました。
ただ実際のところ、こういう自伝的手法というのは
「やぱ富士」でも過去に無かったわけでもないですし、
ASDも挑戦した事ないわけではないですし(笑)
なんかこう、作者的に執筆していく上での気持ちの整理をつけるために書く、
というようなニュアンスでもって、色々な方が挑戦されているものなのではないでしょうか。
一人称初挑戦というのも、しんじさんの筆歴を考えれば書けて当たり前という気もしますし、
本作の出来ばえがどうこうというよりは、
今後にどう生きてくるのかの方が重要なのかも知れません。


あとまったくの余談ですが、「青春小説」というジャンル表記、
思わず納得してしまうんですけどよく考えたらゼンゼン違うような気も(爆)
すっかり大人になった二人の男が、少年時代からの友情を再確認する?お話ということで、
肝心の青春期はすっぽり抜け落ちているような気がするんですが……(爆)


投稿日: 2002年07月10日 09時47分
投稿者しんじ
Eメール
タイトル
URL
どもども、毎度ありがとうございます。

>限りなくノンフィクションに近いフィクション、ですね。
>別に事実かどうかはそんなに気になりませんが、
>作者と主人公が限りなくオーバーラップする、自伝的なノリは悪くないな、と思いました。

当初の予定では、それほどノンフィクションぽくする気はなかったんですけどね。
自伝的なノリって、結構あちこちで見ますよね。
思うに、テーマに対して作品を書き進めていくうちに、
まったくの想像よりも、あの時のようなことを書くのはどうだろう
などと思ってしまうわけですよね。
そしてそういう場合、だいたいが一人称のようです。
きっと「我輩は猫」の夏目漱石も、猫だった頃のことを思い浮かべて書いたのでしょう。


>一人称初挑戦というのも、しんじさんの筆歴を考えれば書けて当たり前という気もしますし、
>本作の出来ばえがどうこうというよりは、
>今後にどう生きてくるのかの方が重要なのかも知れません。

そうですね。
ただ思うに、一人称は短編で有効かもしれませんが、長編となると問題が出てくるんですよね。
長編も一人称で書ければいいんですが、不自然になりますしね。
いろいろ、研究していきますわ。


>あとまったくの余談ですが、「青春小説」というジャンル表記、
>思わず納得してしまうんですけどよく考えたらゼンゼン違うような気も(爆)
>すっかり大人になった二人の男が、少年時代からの友情を再確認する?お話ということで、
>肝心の青春期はすっぽり抜け落ちているような気がするんですが……(爆)

正解! 
確かにその通りです。
青年時代のことも青春に入れてもいいのでは、と思わなくもないんですが、
主に思春期を青春と呼ぶのかもしれません。
しかし突き詰めていくと、思春期とは春季発動期とも言われるものですから、
異性を意識し出す頃、なので青春時代ではない。
なにしろ「コンドーム発見」とか言ってるくらいなので、オヤジの域にさしかかってる。
「中年小説」としたらよかったか。

では、ありがとうございました。