投稿日 | : 2003/05/04(Sun) 01:35 |
投稿者 | : ASD |
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タイトル | : 聖さん作「時の十字路」感想です(ややネタバレあり) |
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ども、ASDです。
たびたび予告打ちながらもずるずると遅れてしまって大変申し訳ありませんが
感想をようやっとお届けします。
「やぱ富士」初投稿作品でありますが、
遠慮無しにビシバシ行ってみたいと思います(爆)
かなりの長文&辛口というかなり恐ろしい事態になってますので(爆)
相当の覚悟の上お読みくださいませ(汗)
あと、若干のネタバレを含みますので本編未読の方はご注意。
以下、感想です。
250枚一挙投稿という大変力の入った作品、お疲れさまでした(苦笑)
(半分くらいはこれを掲載した自分に言っているような気も……(爆))
これだけの長尺でありながら、本編はまだまだ続きますよ、という感じで
何やら伏線めいた設定が色々用意されていて
ちょっと複雑すぎやしないか、と心配にもなるのですが
その分、聖さんご自身の作品にかける熱意や思い入れの強さのようなものは
充分に実感出来る作品だったかな、と思います。
まぁ伏線の多さに、ちょっと思い入れ過多な印象も無きにしもあらずですが(爆)
宮崎や跡目と言ったキャラも大変魅力的で
彼らが思う存分に活躍する物語なのだ、という風にみれば
大変に充実した作品だったと思います。
このテの犯罪アクションものにありがちなように
ミリタリー関連の知識がマニアックに偏ってたり、
犯罪捜査の過程が強引すぎたりといった事もなく
全体的に丁寧に書けていたんじゃないかな、と思います。
作品世界の奥行きというか、広がりというか
そういうものも、しっかりと出せていたんじゃないかな、と思いました。
……誉める部分はだいたいそんなところです。
以下、ちくちくネチネチと責めていきます(苦笑)
少々気になったのは、やはりいかにも外伝というか、番外編というか
もしくは大きなシリーズの中の1篇というか
そういう伏線的な設定の過剰さでしょうか。
宮崎や跡目といったメインキャラに、色々過去の因縁があるのはいいのですが
単独の作品としては、ちょっと事情が込み入り過ぎているように思います。
例えば嵯峨御陣など、随所に思わせぶりに名前が出てきますが
全体を振り返ってみれば、そんなに頻繁に名前を出さなくてもいいんじゃないか、と思いますし(汗)
亜矢財閥がどーのこーの、という話に関しては
全てカットしても何ら問題なかったように思いますが……。
人物関係など、ついていけないほど複雑というわけでもありませんでしたが
差し障りがない程度に、設定をある程度整理した方がいいんじゃないかな、という気もしました。
あるいは、大きなシリーズの第1話、という意味では
それらは必要な伏線だったのかも知れませんが
別に2話以降、必要に応じて語られていても
差し支えないと言えば、差し支えないような気もしますし……(苦笑)
それから、事件のあらましが意外に淡々としている、というのも
気になると言えば、気になる点でしょうか。
敵が意外に小粒というか、粘り弱いというか……。
これも第1話っぽく、キャラや組織など
物語の概要を紹介する事が第一の目的だったせいもあるのかも知れませんが
主人公らISPAの面々が、困難な事件、困難な任務に挑む!というニュアンスよりは
淡々と日常の任務、日々の業務をこなしている、というニュアンスが強かったように思います。
まぁこれは「シリーズ中の1篇」ゆえにそんな気がする、というだけかも知れませんし
あるいは組織よりも個人のドラマを強調するために
敢えてそのように描かれていたのかも知れませんけどね。
それから、ASD的に大きく気になったのは、
宮崎が抱える体調不良に関してでしょうか。
身体に問題を抱えているがゆえに、誰かが守らないと……というのはいいのですが
その原因が何なのか、不調を押して任務に固執する理由は何なのか、
単に、過去の細々とした負傷や疲労の蓄積というのではなしに
もっとはっきりとした、インパクトのある理由付けが欲しいな、と思いました。
何か特別な病気にかかっているとか
大怪我が元で深刻な不治の症状に悩まされているとか……。
その辺り、悲劇のヒロイン的なニュアンスを強調してもいいでしょうし
不調に関連してトラウマめいた過去など用意してあっても
面白いんじゃないか、と思いますしね。
現状では単なる虚弱体質にしか見えないのが何とも……(汗)
単に身体が弱い、というのと
身体に重大な問題を抱えている、というのとでは
ニュアンスがだいぶ違ってくると思いますので。
あと、細々とした話になりますが、構成に関していくつか気になった事が……。
第1章ですが、完全に過去のエピソードで
どちらかと言えばプロローグ的な位置付けだったと思いますが
ちょっと分量的に長すぎるような印象を受けました(汗)
このまま、冴羽が宮崎にプロポーズするまでのお話として
順調に続いていくんだな、というヘンな期待を持ってしまったんですが……(汗)
もっとコンパクトにまとめて、ホントにプロローグ扱いしてしまってもいいのかも知れません。
ざっと事件のあらましだけを冒頭で語って、
個々の人物のドラマの詳細に関しては、2章以降回想形式で要所要所に挟み込む、
という風にしてみたりとか……。
本編そのものは宮崎と跡目の物語ですので、
もっと早い段階で、この二人が主役だ、という事を
はっきりと印象づけるようにしてあるといいんじゃないかな、と思います。
それから、ラストで跡目が宮崎への気持ちに気付くくだりですが、
これはむしろ任務が終わったあとに持ってくるよりも、
実際の任務の進展と重ね合わせて、同時進行させた方が良かったんじゃないかと思いますが……。
現状では、アクション的な物語が終わったその後ろに
恋愛物っぽい物語が付け足されているような印象のように思えますしねぇ(汗)
任務の中で自分の気持ちに気付いた跡目が、
その気持ちを証明するために、爆弾から宮崎をかばった……という展開の方が
流れとしてはよりスムーズであるような気がしました。
それから4章、国内のヤクザの事務所を捜索して
その後シュンジュルなる人物を首都高で追いつめる下りに関してですが
この時の跡目の行動が、ちょっと神出鬼没過ぎるような気もします(爆)
一日のうちにヤクザの事務所を何件も訪れた挙げ句
10分ぐらいでシュンジュルを発見・追跡していたような印象が……(爆)
実際にシュンジュルをヤクザの事務所なりで発見、
そのまま逃走劇に発展する、というような
具体的な描写があった方が面白かったかもしれません。
また、二度読んで初めて気がついたのですが
まさか跡目の配属から彼の負傷まで、3ヶ月も経過していたなんて思いもしませんでした(爆)
ほんの2、3週間、せいぜい長くて一ヶ月程度だと思ってたんですが……(爆)
跡目は研修生と言いつつも
ほとんど初日から即戦力として活躍してたように見えますしねぇ……(苦笑)
4章以降、日時の経過が曖昧と言えば曖昧だったような気がしますし
その辺り、もう少し気を配ってみてもいいと思います。
あとはまぁ、ホントに細かい指摘になりますが、
文章が若干こなれていない印象があったかと。
主語・述語が把握しづらい文章など、結構多かったように見受けられました。
主語が肝心なところで省略されていて
誰の動作なのか、誰のセリフなのか、というのを
読みながら考えされられる箇所も少なくなかったように思います。
もちろん、全ての文で主語を省略してはいけない、とは言いませんけどね。
登場人物の誰の視点を通して描かれている場面なのか(あるいは記述なのか)というのが
あんまり意識されてはいないようにも見受けられましたので
その辺りもう少し意識して描いてみると、上記の問題も解消されるような気がします。
(なんかエラソウな事言ってすいませんけど(汗))
その他、難読漢字も結構多かったですよねぇ(苦笑)
そもそも、第一章のサブタイトルがASDには読めませんでしたし……(爆)
……というわけで、以上、感想でした。
何やらとりとめのない文章を、長々と書いてしまって申し訳ありません(汗)
上記の意見、納得出来る部分、出来ない部分、色々あるかと思いますが
これにめげずに、次回作以降もバリバリと書いていってくださいまし。
それでは、また。
投稿日 | : 2003年05月04日 21時58分 |
投稿者 | : 聖 |
Eメール | : |
タイトル | : あ、ありがとう御座います…… |
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有り難うございました。
全くのご指摘通りで御座います。反論の余地はこっぽちもありません。(汗)
私自身も、もっと複雑な事件にしたいのですが、私の頭ではこれが限度なんです、実際。いつも書いていて、敵側の状態をもっと強く書きたいと願うのですが、どうも想像力が乏しく手がついてきません。非常に情けない話です。やはり、力を入れて書いた部分とそうでない部分では文章にでてきますね。
で、どうも欲張りな性格の為、過去の話を書きたがり可成り余分な文章が存在してしまいました。でも、書きたい(笑)かといって、それらを纏めて一つの話には出来ないし、というジレンマはあります。そして、もっと読み手の事を考えると短縮すべき事でしょうね。本編に織り込む、という手工は今知りました。今後、試したいと思います。
何れにしろ、宮崎の「体調不良」の原因は第3弾と第4弾で明らかになる予定です。第4弾は捜査の「そ」の字も出てきませんが……。因みに、現在第5弾を執筆中で、第6弾を構想中。
しかし、もう一度初めから練り直した方がいいかも。結構、好き勝手書いたから……(汗)
感想、有り難うございました。
玉砕した聖でした。
追伸
以後、漢字は極力読める漢字を選びます(笑)
投稿日 | : 2003年09月28日 17時30分 |
投稿者 | : 沖田 |
Eメール | : kushiomuretu@yahoo.co.jp |
タイトル | : 時を越えて二人目。 |
URL | : http://www.geocities.co.jp/Bookend/7906/ |
もしや感想を送るのは初めてでしょうか、沖田です。もらってばかりで申し訳ありません(笑)
長所も短所もほぼASDさんの感想と重なってしまって書くことがないです(笑)情報過多、敵のあっけなさ、跡目の神出鬼没(これは混乱しました・笑)、そして長所としてはキャラクタ。
今回の作品に関してはおそらくストーリー重視というよりもキャラクタ重視だったんじゃないかと思いますが、主役級の跡目や宮崎が立っていて、なおかつアクションやストーリーで惜しみなく活躍しているのでバランスが取れています。話が二人の心情を中心に据えているのがよく分かるし、こちらもそれを期待しているのでとてもすっきりとした仕上がりです(料理の批評じゃありませんが・笑)。
上のような長所があるだけに、僕が一番気になったのは文章ですね。なんというか、情報が頭の中に入ってきにくいです。外伝的ということで伏線その他読者に伝える情報も多く、理解するためには何度か読み返したりして読み進むのが多少つらく感じます。
こう言っていますが、僕も『情景が思い浮かばない』というダメ出しを受けることが多いです。聖さんの場合は情景が思い浮かばないわけではないのですが、キャラクタの位置や事件の背景などの情報がこちらの頭の中でゴチャゴチャになってしまいます。私的に原因を考えると(自分の勉強になりますねぇ・笑)、情報の順位付けが上手く出来ていないからでは、と思います。
やっぱ読者としては脇役キャラの名前を覚えるよりも「嵯峨御陣は何者だ」とか「亜矢財閥と宮崎は」とかに興味がいってしまうわけで、具体的に言えば読んでる途中に「今何を捕まえに行ってるんだっけ?」「各務って誰だっけ?」という状況に何度か陥りました(汗)ISPAの面々にしても一部を除いて半端に名前が出てきてたなぁ、という印象です。
つまり、主役級二人の活躍に集中したいのに出来ない、という辺りがこの作品の短所だったかなと思います。それが無くなればアクション系としては理想的で、もっと楽しめるのではないかと。
恐ろしく主観的な意見なので、吟味してから参考にしてやってください♪〜( ̄ε ̄;) いずれ続きの方読ませていただきます。それではっ!
投稿日 | : 2003年09月28日 21時24分 |
投稿者 | : 聖 |
Eメール | : |
タイトル | : Re: 時を越えて二人目。 |
URL | : |
沖田さん、有り難うございます。
何気なくここの掲示板を覗いたら身に覚えのあるタイトルがトップに上がっていて、一瞬、心臓が止まりました(笑)
矢張り、話の内容ですね、欠陥は。
私としても頭では判っているのですが、上手く展開できないと常日頃悩んでいる項目です。その為、現在スランプに陥っていて、執筆が停止しているのですが……。
確かに、話重視よりキャラ重視で書いていたように思います。多分、これからもそんな気がしていて、少々臆病風に吹かれているのも事実です。つまり、読者を「わくわく」させるほどのストーリー展開が書けるかどうか、なんですよね。はっきり言って、今の私には自信がありません。もっと時間を掛けるべきだったのでしょう。
「嵯峨御陣は何者」とか「亜矢財閥と宮崎との関係」等の事は後々の話の中で明らかにしていきます。今から考えると初めに提供する情報を今の半分ぐらいに止めて置いてもよかったかもしれませんね。
殆ど愚痴と言い訳になりましたが、改めて読んで頂きまして有り難うございます。
因みにこの続きは現在、改訂版をASDさんに提出しています。