赤のクリスタルライト 3 |
作:しんじ |
3、マロン教
昼を少し過ぎた頃だった。
3人が昼食を取るために入った飯屋は、飯時ということもあり混雑しているようだった。
が、心配していたマロン教とかいう奴らの姿は見当たらなかったため、席が空くまで少し待っていることにした。
「忙しそうだな」
走るように働くおかみを見てスピンは言った。歳は40代というところだろうか。顔にはしわが目立ち始めている。
「そうね」
ルビーが気のない返事をした。視線は他の客の料理に向けられているようだ。
「──お、席が空いたぞ」
レイエスエフが杖でテーブルをさした。見ると前の客が支払いを済ませ、テーブルを離れようとしている。
金を受け取ったおかみは「ありがとうございました!」と頭を下げる。そして金を持って駆け足でカウンターの方に戻る。
前の数人の客がテーブルを離れると、
「よし座れ座れ」
とレイエスエフがつっつくように言う。
言われなくても座るよ、とスピンは不快になりながら足早にテーブルに着く。が、テーブルの上には前の客の皿が残ったまま。
「すいません! すぐ片付けますから!」
おかみが声を上げた。
「忙しそうね」
ルビーが言った。
「そうだな」
スピンは生返事をする。もう何を食べようか、としか考えてない。
「どうせお前は今日も肉だろう」
レイエスエフが嫌味っぽく言った。
「悪いか」
スピンは口をとがらせて言う。するとレイエスエフは、
「悪いわ。たまには魚とか野菜も食えってんだ」
「何? だったら今日は肉も魚も野菜も食えばいいだろう」
スピンがそう言うとレイエスエフはあきれたような顔をして、
「……バカか」
「ふん」
うるさい奴だ。スピンはそっぽを向いた。
──と、その視線の先に近付いてくる人影を見つけた。
「お?」
とスピンはおかしな声を上げる。
人影──それがあまりに異様だったからだ。
身長は1mほどしかないのに顔は濃いヒゲ。体にも体毛がびっしりと生えているが、それは茶色いボロで覆われている。
「あ、こいつは……」
レイエスエフが目を丸くして言う。
「何なの?」
とルビーはレイエスエフを見る。
「こいつは……」
レイエスエフが答えようとするより先に、そいつはテーブルに近付いてきた。それに気付いた周囲の客の視線も集まる。
「何だお前」
スピンはその変な奴に話し掛けた。
するとその中年面の小さな奴は「ニヤッ」としながらスピンの顔を見た。
おかしな奴だ。スピンは眉をひそめる。
そいつはスピンらのテーブルの上に毛むくじゃらの手を置いた。かと思うと、
「ウガー!」
と叫びながら食器を叩き落とした。
鉄製の食器が派手な音を立てて床に転がる。
店内は一瞬静かになり、再び他の客の視線がスピンらに集中する。
「なっ! 何しやがる!」
スピンは怒鳴った。
しかしその変な奴は「クカカカッ!」と笑うと、走って店を出ていった。
「待てこら!」
スピンは立ち上がって大声を上げるが、もうそいつが出ていった後だった。
「すいません!」
店のおかみが走って寄ってきた。そして落ちた食器を拾い集めながら「またアイツが!」
「また?」
ルビーが顔をしかめながら言う。
「ボガートって奴だ、アレは」
レイエスエフが冷静に言った。みんなが興奮状態にある中、一人平然としている。
「ボガート? ひょっとしてそれは妖精の一種か?」
立ち上がったままのスピンは言った。
「そうだ。ブラウニーがひねくれるとボガートになる。もっともひねくれる理由もなくボガートにはならないけどな」
レイエスエフがそう言うとルビーは手を叩き、
「あ、ブラウニーなら分かる。パン1枚で夜通し働いてくれるっていう小人の妖精ね」
「お礼のパン1枚をケチったりすると、こんな風に一生意地悪される」
レイエスエフは食器を拾い集めるおかみに冷たく言い放つと、「ヒヒヒッ」と笑う。
食器を集め終えたおかみは顔をしかめ唇を噛んだが、
「ご注文はお決まりですか?」
と笑顔を作って言った。
スピンは昼食を食べ終えるとものすごく眠くなってしまっていた。
「ああ、眠い」
スピンはつぶやいた。眠くて体に力が入らない。
「うん……」
ルビーが小声で返事した。彼女も眠いのだろう。見るとまぶたは半分閉じている。
しかしこんなところで居眠りしているわけにはいかない。
「よし、行こう」
スピンは声を絞り出した。
「ん」
とルビーの返事。だがもうひとつの返事はない。レイエスエフ。
見るとレイエスエフはイスに座ったまま目を閉じていた。どうやら完全に眠ってしまっているようだ。
「おい、何寝てんだ。起きろ」
スピンは声を掛ける。
するとレイエスエフは片目を開いてスピンを見た。が、またすぐに目を閉じてしまう。
「おい、起きろってば!」
スピンはレイエスエフの肩に手を掛け揺さぶった。レイエスエフの首がカクカクと上下する。
「や、やめろ。眠いんだ。寝不足なんだ。頼むから眠らせてくれ」
レイエスエフは薄目を開いて言った。
「そういう訳にいくか。俺たちだって寝不足なのは一緒だ。起きろ」
スピンはにらみつけて言う。しかしレイエスエフは目を開く様子もない。無視している。
「この野郎……」
とスピンは杖を握った。レイエスエフが眠ったままでも大事そうに握っている杖だ。スピンはそれを奪おうと手を引く。
「おい」
レイエスエフが低い声で言った。見ると目を見開きスピンをにらみつけている。
「放しやがれ、能無しめ」
レイエスエフのその口調は鋭かった。どうやら本気で怒っているようだ。
「じゃあ起きろ。起きてすぐ出発だ」
スピンは負けじと声を低くする。
「誰が貴様の言うことなんか聞くか。ふざけるな」
「ふざけてるのはどっちだ!」
スピンは声を張り上げた。
「ちょ、ちょっとやめてよ、二人とも。つまんないことでケンカしないでよ。みんな見てるじゃない」
見かねたかルビーが口を挟む。
「ふん」
とレイエスエフは杖をスピンの手からもぎ取る。
「つまんねえことで怒るんじゃねえよ」
とスピンはなぜかルビーに向かって言った。
外に出て歩いている間もレイエスエフは不機嫌そうだった。全然口を開こうとしない。
「もう杖を取り上げるのはやめような」
スピンがルビーにささやくと、
「フフッ。そうね」
とルビーはいたずらっぽく笑って目を細めた。
目を細める。それが猫顔だと感じる一番のポイントだろう。もっとも、猫そのものはカワイイとは思わないが。
「猫、か」
スピンはつぶやいた。
「何?」
猫顔のルビーは不思議そうに言った。
──見上げると雲ひとつない青空が広がっていた。
平和だ。どうして人はこのままでいられないのだろう。どうして争いを求めるのか。
どうして? スピンは腰の剣に手を当てて考えてみた。
自分は人とは違う。それを証明するために旅に出てそのために戦う。今分かるのはそれだけだ。
「──おい」
レイエスエフが口を開いた。どうしたのか、機嫌が直ったのか。
「何だ」
スピンは答えながらレイエスエフを見る。
「後ろを見ろ」
「後ろ?」
とスピンは振り返ってみた。栗色シャツ、栗色ズボンの10人ほどの集団がこちらに向かってきている。
「うわ! マロン教の奴らじゃない!」
ルビーが言って顔を引きつらせた。
「マロン教?」
とスピン。
「昨日あなたたちがもめた奴らのことよ」
「そういえばそんな名前だったな……ってやばいじゃないか!」
スピンはそう言ってレイエスエフを見る。「どうする、逃げるか?」
「飯だからって表通りの店に入ったのがまずかったか」
レイエスエフはそう言うと二人より先に走り始めた。
「おい! 追ってくるぞ!」
スピンは走りながら言う。
「くっ……」
レイエスエフは下を向きながら不恰好に走っている。ローブを着ているせいもあるだろうが、足も異常に遅い。
裏路地を通ったり表通りに戻ったり、できるだけ複雑な道を通ってスピンらは逃げる。
だが、
「ダメだ! 追いつかれちまうぞ!」
スピンは声を上げる。
やはりここは奴らの地元。撒くことはできそうにない。
「あそこの角を曲げれば!」
ルビーがレイエスエフに向かって励ますように言う。
「お、おう……」
と息を切らせてレイエスエフ。
スピンらは角を曲がる。ここを曲がれば何とか奴らを撒けるのではないか。
──という考えは甘いようだった。曲がった角の向こうから栗色の服を着た奴らが向かってきていた。
「くっ! 今度はあっちに!」
ルビーが裏路地の入り口を指さし、スピンらは走りはじめようとする。
が、とうとうレイエスエフはしゃがみこんでしまった。
「ハァハァ……。ダメだ。もう俺は走れねえ。俺に構わず行ってくれ」
レイエスエフは肩を上下させながら言った。
「何だそりゃ、冗談のつもりか?」
とスピン。こっちはほとんど息を切らせていない。
「ハァハァ……。冗談に決まってるだろ。俺がいなきゃお前なんかすぐにやられて死んじまうだろうが」
口の減らない奴だ。スピンは苦笑いを浮かべる。
レイエスエフは息を整えるとゆっくり立ち上がった。そしてこっちに向かってきているマロン教とかいう奴らを一瞥すると、再びしゃがみこんでしまう。
「どうした?」
スピンが聞くとレイエスエフはスピンを見上げて、
「立ちくらみだ」
「そうか……」
どうやら3人で敵を迎え撃つということになりそうだ。できるだけムダな争いは避けたかったのだが……。
3人はマロン教とかいう奴らに囲まれてしまっていた。10人ほどの男どもだ。
「おや? 1人増えてると思ったらホワイト教のルビーがいるじゃねーか。丁度いい。一石二鳥か」
男たちのリーダー格と思われるガタイのでかい男が言った。
ガタイがでかい、とはいえスピンと同じくらいの背丈だし、強さのオーラみたいなのも感じられない。なのでスピンもコイツらに怖気づくことなどない。
「は! お前、この人数で本当に俺たちに勝てるとでも思ってるのか? 逃げるなら今のうちだぞ」
スピンはそう言いながら背負い袋を下ろすと、腰のブロードソードを抜いた。
スピンはこれを本気で言っている。自分は何か大きいことをやる人間なので、こんなところで死ぬわけはないと思っているのだ。
「逃げるなら今のうち、だと? つい今まで逃げてたのはお前らだろうが。自分の立場が分かってないのか?」
そう言ったのは昨日やっつけたチビ野郎だった。そしてこいつはショートソードを腰から抜き、地面にペッとつばを吐く。
それに合わせるようにマロン教どもは武器を取った。
「大丈夫?」
寄り添うようにしていたルビーが言った。
「ああ、何とかなるだろう。ただあんたを守ってやる余裕まではないかもしれないけどな」
「フフッ。それは大丈夫。自分の身ぐらいは守れるから」
ルビーはそう言って、白くて長いスカートのポケットから小さくて細長いものを取り出した。それを片手でクルクルッとやると刃が出てきて再び手に収まる。バタフライナイフという奴だ。
何だか使いなれている感じがある。怖いな……。
スピンは顔を引きつらせながらルビーを見る。
「まあしかしいい機会だな」
レイエスエフが言った。
「何がだ」
とスピン。
「今度こそお前の手でこの悪党どもを葬ってやれ。迷うんじゃないぞ」
「ふん。分かってるよ」
「お前の欠点は甘さだ。それさえ克服すりゃお前は……」
「分かってるって!」
スピンはそう言ってレイエスエフの言葉をさえぎり、
「さあマロンの悪党どもが! いつでもかかってきやがれ!」
──と、今にも飛びかかってきそうだった奴らの動きが止まる。
「マロンの悪党ども、だと?」
奴らの1人が言った。
「ふざけるな! 俺たちが悪党だとしても、マロン様のことを悪く言うんじゃねえ! マロン様は美しく正しい方! 悪党はホワイト教のルビーの方だろうが!」
「そうだ、取り消せ!」
スピンは顔をしかめた。まったくいかれた奴らだ。
と、今度はルビーの方が口を開く。
「何がマロン様よ! マロンなんてただのババアじゃない! あんなののどこがいいってのよ!」
「くっ。許せん! ルビーから始末しちまえ!」
リーダーらしき男がそう言うと奴らは一斉にルビーに襲いかかってくる。
まずい! とスピンもルビーの前に走り出る。
──切りかかってくる小剣の攻撃を広刃の剣で受けながら、そいつの腹に思いっきりケリを入れる。するとそいつが後ろに倒れ1人を道連れにしながら転がる。
続いて短剣を持った男と小剣の男が同時に飛びかかってくる。
スピンは小剣の男の方につっこみ、小剣を剣のつばで受け止めながらかち上げる。そしてバンザイ状態になった相手の胴に横な薙ぎの一太刀を……、とまた、一瞬ためらってしまったが、一歩二歩下がりながら鋭く剣を振った。
が、「カキーン!」という金属的な音がしてスピンの剣ははね返されてしまった。
「くっ!」
服の下に鎧を着てやがる。
スピンは顔をしかめた。
と、短剣を持った男がスピンにぶつかってきた。いや、ぶつかってきたのではなく、短剣を突き立ててきた、が正しい。
「ウッ!」
短剣を突き立てられた腹部に鋭い痛みを感じた。
しかし短剣でスピンの着ているチェーンメイルを貫くなんてことは不可能。とはいえ鎧の下に衝撃は届く。
スピンは腹部を強く殴られたかのような痛みを感じた。
「この!」
とスピンはぶつかってきた男を体全体で押し返した。そいつは力なくヨロヨロッと後退する。
スピンは広刃を握り直すと、そいつの首に向けて剣を振った。
ガッ! という岩を叩いたかのような手応え。スピンは手にしびれを感じた。
だが、その一撃でそいつの頭と胴体は切り離されてしまっていた。
あとは小剣の男だけだ。スピンはその男に向き直った。
が、小剣の男はさきほどスピンに打たれた脇腹を押さえてうずくまっていた。打たれた衝撃だけで参ってしまったのだろう。
ルビーとレイエスエフは?
とスピンは二人を振り返った。
──ルビーの前には3人の男たちが立ちはだかっていた。
しかしその3人はぴくりとも動かない。とはいえ、死んでいるわけではないようで顔だけはルビーをにらみつけている。
──レイエスエフの前には1人の男、リーダーだと思われるガタイのでかい男がうずくまっていた。
「うう……うう……」
などとうなっているが、レイエスエフは手にしている杖でポコポコとそいつの頭を叩いていた。そして何やら説教のようなことをしている。
「お前らみたいなのがいるから、世の中が乱れて困るんだ。なのにお前らはそれを他人のせいにして……」
あとは数人の男たちが残っていたが、3人の力を目の当たりにして怖気づいたか、かかってくる様子もない。その中にはチビ野郎もいた。そういえばこいつはあの時も遠くから短剣を投げただけだったし、今回もはたで見ているだけだった。根性なしだ。
「くそっ! 覚えてろ!」
チビ野郎はそう言って逃走を始めた。他の連中もそれに続く。
何か前にも似たようなことをアイツは言ってた気がする。
覚えておく必要があるんだろうか。
スピンは剣を腰の鞘に戻した。
残っているのはレイエスエフに説教されてるリーダーらしき男、ルビーの前で身動きできずにいる3人、そして首だけになってしまった憐れな男、だ。
スピンはルビーの方に歩み寄った。そして立ったまま身動きできずにいる3人を一瞥して、
「魔法、か?」
と聞いた。
「うん。そのようなもの。で、どうしようかこの3人。殺す?」
とルビーはバタフライナイフを3人のうちの1人に向ける。するとそいつの顔が恐怖にゆがむ。が、声も出せずにいる。
「もういい。やめろ」
スピンは言いながらルビーの持つ手を押さえる。
「冗談よ」
ルビーはそう言ってナイフを持つ手を下げた。
「でもね、こいつらは私のお父さんを殺したの。そして私はこいつらにずっと命を狙われてるの。こいつらを逃がせばまたいつか私を殺しにくる。それが暗黒街、西アイリッシュってところなの」
ルビーはさみしそうに言った。
「……でも今日はもうやめてくれ」
スピンはそう言うしかなかった。
「分かったってば」
そう言ってルビーは微笑んだ。
それにしても腹部──左脇腹辺り──が痛い。敵の短剣はチェーンメイルを貫くことはできなかったが、衝撃としてあばら骨を数本折るに至ったようだ。
スピンはその部分に手を当ててみた。チェーンメイルの鎖が少しだけ切れていた。
補修するべきだろうか。放っておくとここから鎖がほつれていって、鎧がダメになるかもしれない。修理するとすればいくらぐらいかかるだろうか。そんな余裕があっただろうか。
スピンは顔を歪めた。
するとそれを見てルビーが勘違いしたのか、
「どうしたの、ケガしたの? 痛い?」
とスピンが押さえている脇腹に目をやった。
「ああ、少しな」
あばらが折れている。耐えられないほどではないが、多少痛みを感じる。
ルビーはチェーンメイルをまくりあげると、スピンの肌に直接手を触れ、
「ここ?」
と訊いた。
「ああ」
スピンが答えるとルビーは何事かつぶやきだした。
「我が名ルビーの……に傷も癒え……川は海に……」
ルビーがつぶやいている間にもスピンの体の痛みは引いていった。
そしてつぶやきが終わると、
「どう?」
とルビーは傷から手を放した。
痛みはなくなっていた。
「ああ、よくなったよ。魔法か?」
「うん。そのようなもの。あのレイエスエフほどの力はないけどね」
「なんだ、レイエスエフってそんなにすごいのか?」
スピンは訊く。一度誰かに訊いてみたかった。
「うーん。私はレイエスエフなんかに比べたらかじってるだけ、みたいなものだから何とも言えないんだけど……。例えばね、私は長い言葉を使って魔法を完成させるけど、彼は言葉を使わずに魔法を完成させられるのね。たぶん言葉を使えばかなり強力な魔法が使えるんじゃないかな。それぐらいすごいと思う」
「ふーん」
スピンは感心しながらそのレイエスエフを見た。
──レイエスエフは杖を振りながら、うずくまる男にまだ説教を続けていた。
目を押さえてうずくまっている男、身動きできずに立ったままいる男、それらを放ったまま3人は再び歩きだしていた。
ここ西アイリッシュでもなければ人を殺した時点で、国の治安部隊につかまっていてもおかしくない。本当に無法地帯だ。
とはいえレイエスエフがいれば治安部隊だろうが何だろうが、逃げ切ったんじゃないかという気もする。
ここは無法地帯だがレイエスエフは無法者だ。
スピンは歩きながらそんなことを考えていると、不安が笑みになってこぼれるのだった。