Gunslave Youth オープニング
作:健人





 ――閃光と咆哮の競演。

 そこに在るは、只々一方的な殺戮。

 ――恐慌と叫喚の混成。

 そこに在るは、数多の生から死への変遷。

 ――血風と煙塵の狂嵐。

 そこに在るは、黒き死神を握る悪魔の影。



 永久凍土を思わせるその瞳だけが、小さく揺れ動く。

「…ひっ!」

 空間中に響き渡る、小さな、本当に微かな悲鳴。

 同時に、死神の口腔が宙に跳ね上がる。

 音速の殺意が弾き出される。

 光線。轟音。

 昇煙。静寂。

 そして、溢れ出す朱の飛沫…。



 煙が晴れる。

 まるで、全てが幻だったかのように、影の姿は既に跡形も無い。

 …しかし、それは確かに存在する。

 戦士≠フ名を称する集団の中にあって尚、畏怖される存在。

 生を奪い去り、死を撒き散らすだけの存在。

 その影の実体を知る人々は、誰もがこう呼ぶ。

 銃を携えた悪魔――と。



 悪魔の所業を告げる警報が、いつまでも甲高い呻き声を上げていた。