僕と少女の軌道-1- モノローグ2 |
作:久城夏希 |
モノローグ2 ハミル・エスキア
ハミル・エスキアは自然のために晶霊術を使っていた。しかし、不眠症で、森を燃やしてから、
彼は魔女狩りに脅されていた。
誰が見ようと魔女。黒いローブとマスクで体全体を覆い隠し、杖を常に胸にしまっている。
彼女は、今でも毎晩不眠症に襲われる。自分に睡眠晶霊術をかける勇気が無く、杖を持つと手が震えた。
「わたしがお手伝いしましょうか?」
ふと、後ろを見た。見慣れないジャケットを着ている。
「だ……だれだ?」
男は笑った。ククク……。
いったい誰なのだろう。
「魔女か?」
「わたしはただの男性ですよ。――あなたのような魔法使いではありません。」
ハミルはピンときた。おそらくこの男は、魔女狩りのための餌なのだろう。そして、わたしは殺される。すなわち、魔法使いの時代が終わってしまう。
「フフフ……。殺す気はありません。ハミルさん。」
「なんなのだ?」
「わたしは、ケーム・ド・アウスフェリの使いのものです。いわば使用人ですね。」
ケーム・ド・アウスフェリ?誰だかわからなかった。
「それは誰だ?」
「あぁ。そうか。じゃあ”ロビン・ド・アウスフェリ”は分かるかな?」
「ロビン・ド・アウスフェリ?貴族か。」
こんな理不尽な会話が続く中で、大きな声がした。
「今!アウスフェリ城を作ろうとしているのだ。手伝え!」
(なんだ。魔女狩りの口実か。前に聞いたぞ。過労死が目当てだって………。)
ふと、頭にうかんだ。
”子孫を作れる。“
「いいだろう。アウスフェリのところに連れて行け。」
「ふふふ。そう言うと思いましたよ。」
沈黙が続いた。突然、男が言った。
「ポータルマップ・ゴートゥー・”アウスフェリ“」
目の前が真っ暗になった。煙に包まれ、目がしょぼしょぼした。
「ん…うう……。」
気づくと、色とりどりの上着と、グレーのズボンをはいた男がいた。
「わたしが、ケーム・ド・アウスフェリだ。」
「お…おまえが。」
ケームは笑った。
「では、我アウスフェリ城を作ってもらおうか。」
疑問がわいてきた。こっちにいるさっきの男は誰なんだ。
「そこにいる男は誰だ?」
「そいつですか?『キール・カルヴェリア』だよ」
キールは微笑み
「どうぞよろしく。ハミル・エスキアさん。」