Prevent Magic ぷろろぉぐ/第一章
作:キロキロ





〜ぷろろぉぐ〜
はっきり言おう。私は頭が悪い。
高校入試前、近辺にエリート校が立ち並ぶ
漠々とした風景を見るのが日課だった私の手元に
合格通知が握られることはなかった。
人間は知性を求め万物に理解を向けそれを
次代へと伝承していくものだといつかしら決まったものか。
申し遅れた。私の名前は聖 真梨亜(ひじり まりあ)
父は5年前他界し、実の娘に聖母の名を付けるほど
過保護な母に育てられてきた私に私立と言う選択肢は
残されていなかった。
期待も不安も、何も抱くことのない春休みを
私は淡白なため息で埋めた。

〜第一章 転送完了〜
そんなある日、母のお抓みであったと思しき
エビせんを6畳の私部屋で貪っていた夕時、
後ろでコォォとPCの冷却ファンを思わせる音が
聞こえた直後、曲線で構成された幾何学的な
円紋が私を囲い、またそれは天へと光を放ち
私の体は重力から断ち切られ宙を舞った。
床のほうから円紋が、私が、霧散してゆく。
「え・・・ぅ」
声を放つことが出来なかった。
再構築された私の体はショボイ門前にあった。
「ようこそ 入学おめでとう 聖さん」
優しい声だった ん?
何故名前を知っている。この服は・・・制服?
ココは何処?誰だお前は。
「入学の手続きに名前、書いてましたよ。
 再構築の際に服も一緒に構成させていただきました。
 さっきの普段着は女子寮に送りました。
 ココは美音高校。新潟、福島を跨ぐ御神楽岳の麓に位地します
 私はH19年度後期生徒会役員の会長を勤めさせて
 いただいております角倉 (かどくら かい)です よろしく」
今度は一気に応えられ私が分からなくなった。
ひとまず、心中でへぇボタンを2回ほど押しといてやろう。金はやらんぞ
(入学)式が進むにつれこの学校の趣旨が分かってきた。
最大の特徴はこの美音高校には普通化が無く、
あるのは魔法科だけだと言うこと。
全生徒が魔学を学び 術を坦々と覚えていくのだ
しかし、需要性が理解できない。
で、なんとなく式を終えた私達は 1-A教室に入り
担任の名前の宣告、全員の自己紹介を催したあと
クラス全員の「MT:マジックタイプ」を教えられた。

薊 功  (あざみいさお) 「A:アタッカー」
上原 一人(うえはらかずと)「M:マジック」
尾本 啓太(おもとけいた) 「α:アシスト」
小柳 一兎(うえはらいっと)「A:アタッカー」
叶 音紅 (かのうねく)  「K:ケア」
喜色 通 (きいろとおる) 「T:トラッカー」
小池 廻 (こいけめぐる) 「M:マジック」
佐伯 シ弥(さいきかつや) 「A:アタッカー」
嵯峨 棄介(さがきすけ)  「α:アシスト」
園邑 勇多(そのむらゆうた)「A:アタッカー」
勅ノ本 克(てものとまさる)「A:アタッカー」
十川 龍 (とがわめぐむ) 「M:マジック」
名取 乙輝(なとりいつき) 「T:トラッカー」
蜂須賀 宙(はちすかそら) 「M:マジック」
最上 一 (もがみはじめ) 「α:アシスト」
山本 影二(やまもとえいじ)「T:トラッカー」

飯田 鈴香(いいだすずか) 「M:マジック」
江藤 魅華(えとうみか)  「M:マジック」
扇 千里 (おうぎちさと) 「α:アシスト」
海音寺 悠(かいおんじゆう)「A:アタッカー」
久原 苺咎(くはらめぐ)  「T:トラッカー」
幸堂 愛夏(こうどうあいか)「K:ケア」
河野 琳 (こうのりん)  「α:アシスト」
坂田 飛鳥(さかたあすか) 「K:ケア」
重野 芽 (しげのめい)  「α:アシスト」
茅原 希 (ちはらのぞみ) 「T:トラッカー」
新渡戸 綾(にとべあや)  「K:ケア」
聖 真梨亜(ひじりまりあ) 「M:マジック」
三浦 璃恵(みうらりえ)  「M:マジック」