THE・SHADOWS 1
作:トップシークレット





 この物語はフィクションである。


第一任務・こいつはいったい何者?


 三月・日本・神奈川県、横浜市、国立神奈川遺伝子情報工学研究大学付属市立海藤中学校・・・この中学校にとっても面白い噂が立った。
(ねぇ、ねぇ、今日から新しい転校生来るのでしょう。)(その噂本当らしいわよ。しかも超かっこいいらしいわよ。)(えぇー、マジで、超見てみたいんだけど。)(なぁ、噂の転校生って男か女か分かる?)(確か男だったって誰かが言って様な気がする。しかもそいつってかなりの天才君で運動神経が良くてかっこよくて武道もできるという完璧君らしい。)(ふえー、そういうやつと友達になってみたいなぁー。)(まったくだよ。どうやったら頭が良くなれるのか聞いてみたいよ。)
 今日はこの学校の始業式。この転校生の噂は終業式のときに流れた。そのときはまだ転校生が来るということぐらいしか皆知らなかった。しかし冬休み期間の間にさまざまなことがあからさまになっていった。
 そしてついに冬休み終了になってついに今日この始業式、その噂の転校生が来ることになって全校生徒が興奮状態になっているのだ。
 3年C組・・・「はいー、席についてください。ほら、早く席についてください。」(このクラスに転校生来るかな)(着てほしいな。その転校生)「今日からこの3年C組の担任になった新川恭子(あらかわきょうこ)といいます。受験勉強の忙しくなるこの時期の皆さんをできる限りサポートしますのでどうかよろしくお願いします。」するとある生徒から(せんせーい、転校生って何年生なんですか?)と聞かれたので先生は「いいでしょう。噂の転校生についての質問にお答えします。その転校生は君たちと同じ三年生です。」(おい、聴いたかよ!俺たちとためだぜ!!)
 するとまた別のところから(その人のクラスってどこですか?)ついに核心に迫る質問が投げかけられた。先生は一呼吸置いて「その転校生のクラスは・・・ここの3年C組です。つまり君たちとクラスメートになります。」こう先生が答えたので生徒達の興奮は一気に最高潮を迎えた。
(このクラスに噂の転校生が来ちゃうよー!すげー驚いたぜ。)(イケメン転校生がこのクラスにくるんだ!!)さらに別の生徒から(早くその転校生を中に入れなよ。)(そうだよ。俺たちも早く顔を見たいし)「分かったわ。これから職員室に呼びにいくから皆はおとなしく席についててね。」
 そういって先生は教室を出て一階管理棟の応接室に向かった。しばらくすると戻ってきた先生が先に教室に入ってその跡に噂の転校生が入って来た。教室は妙に静かな中にざわざわしていた(あの子がそうなんでしょ?すっごくかっこいいよね。)(本当よね。彼氏にしたら毎日がバラ色よ。)(うわぁー。あんなの反則に等しいよ。これじゃ太刀打ちできないよ。)(まさに難攻不落の壁ならず人間だよ。)(それどころか人間要塞だよ。)
 少しざわざわしている生徒達に向かって先生が「はいはい、静かにしてね。それじゃ自己紹介をどうぞ。」「東京の国立帝国大学居住区から来ました。穐山眞吾といいます。皆様よろしくお願いします。」「何か質問のある人はいる?」と先生が聞くと一気に皆が手を上げた。だが一気に質問が穐山に向かって聞かれた。
(特技は何ですか?)(頭いいの?)(今一番やりたいことは何ですか?)などなどさまざまな質問がぶつけられた。自体の収拾がつかないために先生は「そんなに一気に質問したら穐山君は困っちゃうでしょ。聞きたいことをまとめるからちょっと待って」そういって先生がメモし始めた。・・・「それでは穐山君に聞きます。趣味は何ですか?」すると「趣味は、麻雀に車に自転車に格闘技に剣道に空手に後は射撃です。」と答えた。
 ごく普通の趣味から非常に危険な趣味まで併せ持っていた謎の転校生に一同あ然。「はい、次にいきます。好きな科目と嫌いな科目を教えてください。」「好きな科目は電子科、電子工学科、それから体育に数学に英語です。嫌いな科目はありません。全部好きなので。」驚愕の回答に一同あ然。「続いては・・・無理に答えなくてもいいんだけど・・・好きな女の子のタイプは」「好きな女の子のタイプ・・・えーッと、ロングヘアーで笑った顔が可愛くて優しい子が良いかな。」・・・・・などとついにはたわいもない質問に発展して言った。

「一通り彼への質問もすんだから、そうねぇ、そこの空いている席に座って頂戴。」眞吾はその空いている席を見つけて歩いていって席に着いた。するととなりは女子なので隣の女子は興奮状態。そこで眞吾が問いかけた。「何でそんなに顔が赤いの?熱でもあるの?」と問いかけた。するとその女子は「いや、別にそういうわけじゃないから気にしないで。私の名前は桐嶋由美(きりしまゆみ)よろしくね。」「こちらこそよろしく。」すると先生が皆に向かって話しかけてきた。「それでは新しいクラスになったので新しい学級委員を男子と女子で新しく二人選ばなくてはいけません。誰かやってくれる人はいますか?」と先生が聞くと生徒たちは“シーーン”と静まり返ってしまった。
 その沈黙がしばらく続いてからある生徒が(はい。僕がやります。)そう言って手を上げた。残りの生徒がその生徒のほうを見た。「エーッと、君の名前は・・・」先生が名簿を見ながら戸惑っているとその生徒のほうから「荒井耕輔(あらいこうすけ)です。ちゃんと覚えてください。」「失礼、失礼。それでは荒井君でいいですか?」と聞くと男子生徒達は一斉に大きい声で(いいでーす!!)「荒井君。君はいいですね。」「いいですよ。」「男子の学級委員は決まりました。残りは女子です。誰か女子でやってくれる人はいませんか?」と改めて聞くとやっぱりシーンとしている。すると、眞吾の隣の席の女子が「私、やってみようかなぁー」と小声で眞吾に向かって相談してきた。
 すると眞吾は「やってみるかやらないかはその人が最終的に決める。だから俺がとやかく言う義務はない。だから桐嶋が決めるといいよ。」とちょっと冷たくした。
 しかしもっともらしい意見にうなずいた桐嶋は「うーーん。それもそうね。やっぱり自分で考えてみよう。」「それが一番。だけど自分で決めると責任も自分にのしかかってくる。」そして桐嶋は少し考え込んだ。そしてまたこの沈黙が続いた。完全に暗礁に乗り上げている。
 先生はこのまま進展が見られない富田先生は「それじゃ、女子の学級委員は明日のが九月の時間に決めるからそれまでにやるかやらないか決めてきてね。次は、各専門委員会とかが急の係りも決めなくちゃいけない。これからの進行は学級委員の荒井君がやってね。」と先生からのご指名があったので荒井は無言のまま教壇に立った。
 教壇に立った荒井は先生に向かってお願い事をしてきた「先生、誰か書記の人を一人選んでください。いくらなんでも自分ひとりだけで司会をやっていろいろ黒板に書くなんて無理です。」「分かったわ。誰か書記をやってくれる人はいませんか。」と教室の後ろのほうにある掃除ロッカーに寄りかかっている先生が呼びかけた。
 するとついに眞吾が動き出した。「ふぅー。」と一つ息をつくと眞吾が「だったら僕がやりましょうか?」「ホント?だったら穐山君に書記を任せようかしら。いいわよね荒井君?」先生がこう荒井にたずねた。荒井の回答は「別に構いませんけど。」すると席を立って教壇に向かって歩き出した眞吾。教壇の前に立って荒井に一言言った。「それじゃ、はじめようか。僕のほうはいつでもいいよ。」と準備が整ったと穐山から報告があった。半分シカトぎみで司会を始めた荒井、ちょっと大きい声でクラスの皆に問いかけた。「最初はクラスの係りから決めたいと思います。誰かやってくれる人はいませんか。」
 すると学級委員の選出のときは手が挙がらなかった皆だがとたんにクラスの係り活動の選考となると手が挙がった。「それじゃ・・・」どんどん係りの人間が決定していく。黒板に決まった人の名前を書くのも大忙し。がんばって書いている眞吾が荒井に言った。「もう少しゆっくり決めてくれないかな。実際に書くこっちはとっても速くてついていけないよ。」と訴えた。
 荒井の返事は「ごめんごめん。もう少し遅くするよ。」「頼むよ。」そして学級の係りが全部決まった。続いては委員会。「次は委員会を決めます。誰かやりたい委員会はありますか。」と聞いたので、すかさず間髪をいれずに眞吾が手を上げた。「はいはい。俺、放送委員会をやりたいです!」と素早く早口言葉並みの速さで言った。「ほかに放送委員をやりたい人はいませんか?」誰も手を上げずにシーンとしている。「それでは放送委員は穐山君に決定しました。残りは後環境に保健、それから図書に社会福祉と選挙管理に後は各実行委員だけだ。これも各一人ずつなので誰かやってくれる人はいませんか?」すると驚くほど手が挙がっているではないか。「えーっと、田村は選管で秋口が社会福祉になって西川が図書。藤岡は環境であとは実行委員だけか。先生、実行委員って何があるんですか?」
 完全に仕切っているような口調で先生に聞くと先生は「実行委員は体育祭に文化祭に合唱大会と卒業旅行実行委員会と結構決めるのが多いのよ。」「何でそんなに多いんだろう?」とものすごく素で聞いてしまった。
 すると荒井が笑ってしまった。「ははは。そんなこと誰にも分からないよ。勝手に決まっていることもあるんだよ。」ちょっと説教じみた説明をした荒井。しかしその説明に妙に納得をしてしまった。こうして今日の学活は終了して一日が終了して帰りのときに先生から明日の出来事が伝えられる。
「明日は突然なんですが、二年の総復習テストを行いますのでちゃんと勉強してきてくださいね。もしあまりにも点数が悪かった場合は補習を行うのでそのつもりでいてくださいね。」この学校の名物行事である。進級したその次の日は必ず一学年前の勉強の総復習のような形でテストを行うのである。しかも点数が悪かった場合は恐怖の補習が待っているのである。
 案の定生徒達の反応は不評であったということは言うまでもない。しかし眞吾だけは嫌がる顔をせずに少し顔が引きつるような感じで笑っている。「穐山君何ニヤニヤしてるの?いやらしいよ。何かへんなこと考えてるでしょう。」すると眞吾は笑いながら「いや、別にへんなことなんて考えてないさ。ただ面白くなるなと思ってね。」「何言ってるの?やっぱ変だよ。今日熱でもあるんじゃないの?」
「はいはい、静かにしてください。そういうことだから補習を受けたくなかったらちゃんと勉強してくるのよ。分かったわね。学級委員長。今日はあなたが号令かけなさい。日直はまだ決まってないから。」「起立、気をつけ、礼」(さよならー。)「さよなら。穐山君はちょっと職員室に着てね。重要な書類を渡すから。」「えぇー。せっかく早く帰れると思ったのに・・・」「すぐ帰れるわよ。書類を渡すだけだから。」(穐山君、その書類をもらったら一緒に帰ろうよ。)(そうよそうよ。これから歓迎会をやってあげるから。)(何言ってんだよ。女子達とやるわけないだろ。穐山は俺たちと歓迎会をやるんだよ。)(何言ってるのよ。そんなムサックルシイあんたたちとやるわけないじゃない。)「あのさぁ、俺別に歓迎会とか出ないよ。そういうの面倒くさいからさ。家に帰って早く寝るから勝手にやってくれ。」そういって眞吾は先生と職員室に向かって歩き出した。(なんか、穐山君のノリっていうかなんか悪くない?)(やっぱりそう思った?もうちょっと冗談とかかましてくれてもいいと思うけどね。)(確かになんかだよな。初めてのこのクラスだったから疲れちゃったんじゃないの?)(かもねぇー。別に日に歓迎会みたいなのやってあげようよ。)(賛成!俺たちも参加させてくれよ。俺たちも穐山と交流会やりたいよ。)・・・この中学校はそれほど広いわけではないが、教室と職員室がとっても離れているのがこの学校の特徴である。教室群と職員室や用務員室などがあるいわゆる、管理棟が連絡橋で結ばれていてとても独特な設計の学校である。
 ちなみに生徒達の間ではその橋の名前が海藤橋とよく呼ばれている。そしてその海藤橋を通って管理等に到着。その管理棟の階段を一回まで下りて職員室に到着。
「入ってきて。」「失礼します。」二人そろって職員室の中に入って先生の机に向かっていく。「はいこれがその書類よ。これは教育委員会に登録をするための書類だからなるべく早く出してね。」「いつまでに出せばいいですか?」「来週の火曜日までに出してくれればいいから。」「分かりました。さよならー。」「明日テストだからちゃんと勉強してきてね。」「分かってまーす。」職員室と生徒達の使う下駄箱までの距離はそう遠くない。
 少し疲れた表情で上履きと靴を取り替えていると後ろから突然声をかけられた。「眞吾!あんた穐山眞吾でしょ?」すると眞吾は後ろを振り向いた。「あぁー。やっぱり眞吾だ。私のこと覚えてる?」すると眞吾はしばらく黙って考え込んで彼はこういった。「誰だっけ?小学校かどこかであったっけ?」と天然ボケ。この回答に少し呆れた謎の女子は「私よ、私。覚えてないの?石本摩璃亞(いしもとまりあ)よ。」その女子は肌の色が白くてもちもち肌でとってもロリで萌えで瞳の色が青くて金髪の女子だった。
 少し顔が赤くなりながら再び黙り込んで考え込んだ眞吾。今度はもっと深く頭を悩ませている。
 すると突然何かをひらめいたかのように突然「あああぁーー!!マリア!!お前ってこの中学校だったのか。アメリカから転校してきてまさかこの学校だったとは。しかし久しぶりだな。元気だったか?」突然眞吾の顔が明るくなった。
 すると呆れた表情でマリアは「呆れた!会わなくなってまだ一年にも満たないじゃない。あんたのその天然ボケには本当に舌を巻くよ。」「イヤー。お前は相変わらず変わってないようだな。」「何言ってんのよ。あんたこそそのぼけっぷりが変わってないじゃない。いい加減その天然ボケを何とかしなさいよ。」周りの連中はびっくりしていた。
 近くにいたマリアの近くにいた連れの女子がマリアに聞いた。(えぇー。何でマリアがこのイケメン転校生と友達なの?どうして言ってくれなかったのさ?)するとマリアの答えはとても冷たく「だって聞いてこなかったじゃない。」とのことであった。回りもしらけている。この状況にさらに野次馬が増殖して事態の収集がつかなくなってきた。
(おいおい、あのイケメン転校生と海藤中学校美少女選手権の二年の部と総合の部で圧倒的な大差で優勝した石本摩璃亞が友達だったとは・・・もしかしたら恋人との再会という展開かもしれないぞ。)(ありうるわよこの展開は。どうなのよマリア?)「全然そんなことないわよ!こいつとは単なる幼なじみなだけよ。何もしてないわよ。」(またまたぁー。本当はもうキスなんかしちゃったんじゃないの?)「ちっがーう。そんなことしてないわよ!!いい加減にしないと怒るわよ!!」(硬派で気難しいマリアが顔を赤くして照れてるぞ。)「おまえらぁあぁーー!許さないわよ!!!!」
 そういって周りの野次馬たちを追っかけ始めた。そして当の眞吾はまるで他人事のようにこの状況をほけーっと見ていた。
 そして何を思ったのかマリアの事を忘れてサッサと帰ろうとしている。
 しかしマリアに見つかってしまって「ちょっと眞吾!!あんた何勝手に帰ろうとしてるのよ!あんたもぶっ殺すわよ!!」「ははは。恐ろしや、恐ろしや。しかし君にこの俺をぶっ殺せるのかな?」「今の私はあんたなんか目じゃないわよ!!」いつの間にか野次馬のことを忘れて眞吾との対決モードに入っていた。野次馬たちは興味津々。それに気づかない眞吾とマリア。
 そして「なんならここで決着をつけてやってもいいんだぞ!どうするマリア?」「いいわよ。私のこの真龍王空手の空手を改めて思い知らせてやるわよ。」「フン!お前のそんなへなちょこなど俺の龍王空手正統派の前にお前は残念だが負ける。」しばらく沈黙が続いてある人が携帯電話を落としてしまった。
 それを待っていたかのように二人は一気に近づいてすさまじい速さで攻撃を繰り出していく。相手の攻撃にカウンターを重ねていく。そのカウンターにさらにカウンターを重ねていく。さらに少し二人が浮いている。
 すると何かの衝撃でバランスを崩す眞吾。それを待っていたかのように「隙あり!!これでとどめよーー!!!真龍王空手奥義五点星突き!!!!」「うわぁーーー!!!」そういってマリアが眞吾の両肩と両足の股関節と眉間を素早くついた。眞吾はその攻撃を受けて「カッハーぁ。」そういって眞吾は吹っ飛び柱に壁に飛ばされてしまった。砂埃が立ってしまって状況が分からない。「勝負あったようね。やっとあんたに勝てたわ。」
 そう言って長い髪をふわっとさせてかっこよく後ろを振り返った。そのまま下駄箱に歩き出した。そのまましばらくして砂埃が消えるとそこにはかなりのコンクリートが崩れ落ちて壁には大きな窪みがあるだけでそこには眞吾はいない。
 すると異様な気配を感じたマリアが振り返ると目の前に突然眞吾が現れた不意を疲れたマリアは何もできずにその場に固まってしまってあ然としてしまって何が起きたのか状況を理解できない。隙を突いて眞吾が「勝負あり。」かっこつけてマリアの眉間をでこピンした。「なかなかよくやるけど・・・まだまだ練習が足りないね。」「でこ・・・ピン・・だと・・・」「さて、帰るかな。マリアはどうする?久々にいつもの場所によっていく?」いつもの表情に戻った眞吾はマリアにいつもの口調で聞いた。
 しかしマリアはショックのあまり言葉が出ない。「後で行くから先に行ってくれる?」「分かったよ。」そして眞吾は靴を履き替えてすたすたと校門を出て行ってしまった。あまりの衝撃に回りはまだ沈黙を続けている。マリアの連れ立った女子がマリアに近づいて(ちょっとマリア大丈夫なの?あんな思いっきり殴られて?)(まったくひどいもんよねぇ。か弱い女子に向かって本気で殴ってくるなんて。かっこいいと思ったら大間違いだったわ。)するとマリアが重い口を開いた。「こんなのやつにとっては殴ったうちに入らないと思う。それにやつの本気の勝負は私でも一回も見たことがない。やつの強さは計り知れないからな。」そういってマリアの表情にいつもの笑顔が戻った。「さて、また練習するかな。ここまで完膚なきまでにやられちゃやつを倒すのは無理かもしれないな。」そういってマリアも靴を履き替えて校門を出て行ってしまった。(それにしてもこの壁の窪みはありえないだろ。大の男を投げ飛ばしてこれだけの窪みをつけたんだからな。)(マリアもそうだけど、飛ばされたあの転校生もそうだよ。あいつ相当強い腹筋持ってるぞ。)(それよりあいつの名前ってなんていうんだよ?)(誰かC組のやついるか?)(あいつの名前は穐山眞吾だった気がする。)(多分マリアは空手部に勧誘すると思うぜ。なんせあの空手部の女子部長を倒しちゃったからな。)(こうなってくると男子の部長も黙っちゃいないだろうな。近々勝負を挑んでくると思うよ。)(どうなるかなそうなった場合は?)と周りでいろいろなことを話していると見回りの先生が来て例の壁の窪みに気づいた。
(誰ですか?こんな壁に窪みなんかつけて、誰かこの壁を爆破したんですか?)そう生徒たちに聞くと周りの生徒たちは口をそろえて答えた。(3Bの石本が3Cの穐山ぶっとばしてその穐山がこの壁に当たった傷です。)(またマリアがやったの?それに穐山も関ってるの?)
 ・・・一方そのころ眞吾とマリアは「お前大丈夫か?五つ星の傷?」「大丈夫よ。あれくらい私だって耐えられるわよ。それよりうまく言ったようね。」「しょうがないだろ。あんな展開になるとは思わなかったんだから。それより、ナイスな演出だったろ?」「まったくよ。あんた将来は演出家になったら同?」「それだけはパスだね。あんな詰まらん仕事なんかより今の危険のほうがずっと楽しいよ。」二人はしばらく歩いていると二人がいういつもの場所に着いた。その場所とは河川敷だった。ある電車の鉄橋の高架下である。「久しぶりだな、この場所も。」「あんたがよく東京から自転車で来たっけ。」「遠いんだぞ俺んちからここまで、少しぐらい遅れてもいいのになんだよ雷落としやがって。」「なに言ってんのよ。あんたの言うその少しって十分や二十分じゃないでしょ!余裕で一時間や二時間遅れてきたじゃない!!」「えぇー、そうだっけかね。」「そうじゃないか!」
 なんだかんだ口論をしていると、この二人に無線が入った。もちろん二人は無線機を持っているわけではない。そう、脳内無線機である。{脳内無線機とは無線機本体が脳の聴覚をつかさどる器官にある。無線を受信するときは耳の耳小骨という音を聞き取る期間に受信用の機械があって受信するときはこの受信用の機械が耳小骨を直接振動させるので他人に聞かれる心配はない。こちら側から送信をするときは自分が創造をする機関にある送信機を経由してその想像した言葉を直接相手に送るので他人に聞かれる心配はない。この脳内通信を可能にしているのはすさまじい進化を遂げたナノマシンである。脳内ナノマシンをこの部隊に入隊したときに全隊員に注入されるのである。}
「通信が入ってる。誰からだろう?」「とりあえず出てみましょう。私も入ってるから同時通信だと思うわ。」「こちら眞吾どうぞ。」「こちらマリアどうぞ。」「こちら本部、どうやら二人は無事に危機を回避できたということか。」「何とか無事に切り抜けることができましたよ。それにしてもデーター以上だなあの学校の生徒の雰囲気は。」「私も苦労したわよ。あの学校に転校してなれるまでには・・・」「ところで司令官。今度はどんな任務ですか?」「うむ。今日の任務の内容はレベル3の機密事項だ。任務のことは本部のブリーフィングルームで話す。」「その任務って難しいの?」「君たちにとってはどうてことはないよ。」「とにかく至急本部に集合してくれ。既にほかのメンバーは既に集合している。」「了解。眞吾、これから至急向かいます。」「了解しました。マリア、至急向かいます。」すると二人は無線を切ってその河川敷から一瞬にして消えてしまった。


第一話・こいつはいったい何者?完