SPELL OF MAGIC : PROLOGUE
作:木下香介





昔、昔この国シンフォニアに悪魔がいました。その悪魔は人々を傷つけることを楽しんでいました。来る日も来る日も悪魔は人々を傷つけました。
しかし、この国の人々は傷つけられてばかりではありませんでした。この国には『元老院』と呼ばれる人々がいて、彼らはそれぞれの力を使い悪魔の封印に成功しました。
そしてシンフォニアに平和が訪れました。
一人の元老院と引き換えに・・・。
                      シンフォニアの歴史(子供向け)より


荒野、草一本生えていない。何もない。あるのは暗闇だけ。
「偉大にして万能なるファラリスよ、我は欲す。時は熟し、祈りは満ちた。遥かなる星界の彼方に住まうその身を顕し給え。我が祈りを道標に、偉大なるその身を降臨させよ。現世に、真の自由を創生されたし・・・」
何もない荒野に詠唱が響き渡る。その詠唱を唱えているのは四つの影だった。
それぞれが詠唱を終え漆黒の空へ舞い上がると、地面に光を放ちながら魔法陣が浮かび上がた。
影達が上がっていった空にはすでに邪悪な気をもった別の魔法陣が出来上がっていた。
「皆さんいきますよ。ヒャッヒャッヒャ」
一人の影の合図で、ほかの影が動きだす。それぞれが異なる詠唱を唱えだすと、魔法陣がそれに反応し影たちの魔力を上げていく。
「ダークナノフレア」
「グランヴァニッシュ」
「白雪の独奏曲(ソナタ)」
「ブラックアルバトロス」
一斉に魔法が放たれ、地面の魔法陣を破壊していく。地面がえぐられ悲鳴を上げる。
そしてついに、魔法陣が崩壊を始めた。いくつもの線が消えていき、魔法陣そのものが姿を消した。
「さあ、王の復活です。ヒャッヒャッヒャ」
上空の影が言った。
それと共に大気が震え、あたりに邪悪な気が生まれた。それはどんどんと大きなものになり人の形を作り上げた。
最悪の悪夢が始まる。千年前と同じ悪夢が・・・
「ここは、どこだ」
現れた人影は静かにそういった。
「ファンタジアのローゼンガーデンです」
先ほどまで不気味な笑いをしていた影が空から降り人影の前に跪きながら答える。ほかの影たちもそれに続くように跪く。
「・・・・・そうか、ローゼンガーデンか。あれから何年たった」
「千年です」
人影は俯いたまま何も言わない。ただ時間だけが過ぎていく。
「・・・・ふっ、ふはははは、そうか千年か」
そう言うと、人影は地面へと倒れこんだ。影がすぐさま駆け寄る。
「やはり、かなりの力を失われておられる。ひとまず王を城に連れて帰り力が回復するのを待ちましょう」
影達は王を抱え闇に消えていった。


それからどれだけの時間が過ぎただろうか、何の前ぶりもなく荒野に光が満ちた。夜明けの光かと見間違うほどに明るいものだ。その光の根源は一つの球体だった。
それは荒野をフラフラと動いていたが、1分もしないうちに空へと消えていった。


その日、シンフォニア暦5244年2月24日、シンフォニアに新たな命が産声を上げた。















あとがき

皆さん、こんにちは、ぼくドラ○もんです。
ではなくて、木下香介と申します。『SPELL OF MAGIC』 略して『スペマジ』どうでしょうか?あまりこういう経験がないので、うまく書けていなくて、失敗しているところがあるかもしれません。もし、そういうところを見つけたら笑ってやってください。できるだけそういう所をなくしていこうと試みますので。
では、また。