図書部10
作:尾瀬 駆




〜校長室〜
 香奈は放送に呼び出されここに来ていた。
 どうしても、校長室に入る時には緊張する。
 やっぱりここで一番えらい人だからなぁ
 緊張しつつも内心期待感を膨らませながらドアのノブに手をかけた。
「待っていたよ。上野さんだったかな?」
「は、はい!」
 扉を半分くらい開けたところで声をかけられたので慌てて、中に飛び入った。
 中には校長先生が一人笑っていた。内装は前と変わらず豪華である。
「ど、どうしてわかったんですか?」
「いや、ノックもせずに入ってきたからね。それに普段ここに来る人はいないからね」
 校長は年の割におちゃめな人かもしれないと香奈は思った。
「あの、用件はなんなんですか?」
 いつまでも話が進まないので急かせた。
「ああ、そのことなのだが・・・」
 急に校長の顔が厳しくなる。
「実は君が図書部なるものを作ろうとしていたことを思い出してね。それで、呼び出したのだよ」
「はい。確かにクラブを作ろうとはしてるんですが、なにぶん人数が足りなくて・・・」
「それで、そのことなのだが。図書部をとりあえず仮認定することになったのだよ」
「え!?」
 香奈は驚きを隠せなかった。喜びで今にも叫びたい気分である。
「で、学校側からの条件なのだが、2学期から1ヶ月間で図書の貸し出しなど倍増はかってほしいのだよ。それができなければ、同好会に戻ってもらうことになるが、出来た場合は特例でクラブとして認めようということが職員会議で決まったのだよ」
 香奈は感激して何もしゃべれない。
「うちの図書室は他の学校より大きいのだが、進学校なのも災いしてか図書の貸し出しが少ないのだよ。勉強もいいが、みんなにもっと本を読んでもらおうって声が職員の方からもあがってね。まぁ、ちょうどその時に君たちがクラブを作るっていうから渡りに船だと思って頼んでるんだが・・・。どうかね?」
「はい!」
 やっと我に返り返事をする。
「それはよかった。それでは、今は勉強の方に集中しなさい。テストも近いことだしね」
「はい。それでは失礼します」
「あっと、ちょっと待った。言い忘れていたよ。活動場所についてなんだが図書室で五月蝿いという苦情が何件か君たちに来ててな。それで、まぁ、ありあわせで悪いんだが4階の東階段横の倉庫を使ってくれないかな。机等が必要な場合はまた私にでも言ってくれるといい。一応、私が顧問という形になっているのでな。では、カギも渡しておくよ」
 そう言って、校長は手を差し出した。
 香奈も手を差し出して、カギを受け取った。
「それでは失礼します」
「がんばって下さいね」
 香奈は一礼して校長室を後にした。
 無論その後、拳を上に突き上げてジャンプしたのは言うまでもない。















あとがき

 何ヶ月ぶりかに書いたらむちゃくちゃ変だし。
 やっぱ、毎日書かないとだめだな。
 がんばりますわ。