図書部12
作:尾瀬 駆




1限目 数学U
敬太はこの教科が苦手だった。
昨日もろくにこの教科は勉強もせず、他の勉強ばっかりしていた。
当たり前のごとく、1問目から苦戦していた。
1. 次の円の方程式を求めよ
(1) 中心が(1,−3)で原点を通る。

 たぶん初歩の初歩なんだろうが解き方が全然分からない。
 その前に円に方程式ってなんなんだ?
 他の問題に目を通してみる。
 なんとかできそうな問題が2・3問ほど・・・。
 多く見積もっても、24点。
 赤点確実だった。
 敬太が赤点を覚悟している頃、香奈はというと・・・。
 香奈も実は数学は苦手な方だった。
 ただ、苦手といっても、授業も真面目に聞いてるし、問題集も範囲のところは一通りやっていたので1枚目はすんなり解けた。
 ちなみにこの学校の数学は答案が2枚になっていて、1枚目は普通にやってれば解ける問題、2枚目は応用問題というように分けてあるのだ。
 香奈にとって問題は2枚目だった。
 これによって点数の良し悪しが決まる。
8.次の条件を満たす点Pの軌跡を求めよ。
 (1)2点A(−1、−3)、B(2,0)からの距離が等しい点P

 これはなんとか解けそうだった。
 時計を見る。
 まだ、時間は半分残っていた。
 香奈は気合を入れなおし問題に向かった。

 一方、知加子の方はというと、順調に問題を解いていた。
 3年生の1限目は国語だった。
 知加子は文系を選んでいて、国語は得意だった。
 そのうち、1限目終了のチャイムが鳴った。

 2限目 倫理
 敬太は自信満々でこのテストに挑んだ。
 数学をないがしろにしてまでこの教科を勉強したからだ。
 これで、点が取れなかったら詐欺である。
 敬太は問題に目を通した。
 おっしゃー!なんとかいけそうだな。
 いくぞー!
1(2)業とは、サンスクリット語で何というか?カタカナで答えよ

 おし、これは「カルマ」だな。
 答案に書き込む。
 次はえ〜っと・・・。

5(7)「八百万神」はなんと読むか?ふりがなを書け。
 
 これはなんだっけ?
 やお・・まんしん!?とか?
 やお・・・。
 だめだわかんねー!飛ばそ、飛ばそ。
 次の問題に取り掛かる。
 こんな調子で答案用紙が7割埋まった。
 これくらいだろ?
 敬太は満足して、寝始めた。
 その頃、香奈はいうと苦戦していた。
 大問の4がほとんど分からないのである。
 それもそのはず、問題文として、所々穴のあいた般若心経が出ているのである。
 これは盲点だったなぁ。
 香奈は後悔していた。
 もちろん敬太は余裕綽々でこの問題は飛ばしていたのだが。
 悩んで悩んで、半分ほど埋めたところで終了のチャイムが鳴った。
 3年はこの時間は選択化学/地学だった。
 知加子は地学をとっており、無難にテストを終えていたのであった。

 テストが終わり、放課後になった。
 今日はクラブもなく、みんな散り散りに帰っていった。
 もちろん、香奈や敬太達も例外なく。
 テストは4日間の日程で、
 1日目は数学U、倫理
 2日目はE1、国語
 3日目は地理、E2、物理/生物
 4日目は数学B、化学/地学
 物理や化学は理科選択によって、自分がとっている授業のテストを受けるのである。
 ちなみに敬太は化学・生物、香奈は物理・化学をとっている。
 上のは2年生の日程で3年は別である。
 
 こんな風に4日間のテストが終わった。
 これからは1週間、終業式までの間、テスト休みになっている。
 その前に図書部の面々は新しい部室に集まっていた。














あとがき

 途中にある問題なんですけど、実際に1学期の期末テストに出た問題を載せてあります。
 まぁ、都合上簡単なのしか載せられませんでしたけど。
 ではでは。