銀狼少女 七話
作:槇原想紙





七話 罪人に笑う月


 水分を補給しているのに、喉の渇きを感じる事がある。それと同時に何かを壊したい衝動にかられるのだ。それはもうじき満月の日が近いからだろうか。けれど人間の姿の時、この様な事は一度もなかった。銀狼の血が人間の姿の私をも蝕んでいるのかもしれない。ふと、須賀蔵優馬とその優馬に仕えているメイドの兎綺を思い出した。私を襲おうとしたあの事件以来、姿を見た事はないが、彼らは血がないと生きていけないはずだ。吸血鬼なのだから当たり前の事だろう。近い内にまた事件を起こすかもしれない。その時はどうなってしまうのだろうか。しかし、他人の心配をしている場合ではないのかもしれない。自分自身だって銀狼の時、何かのキッカケで人の命を奪ってしまうかもしれないのだ。その時、私はどうなってしまうのだろうか。考えても分からない。人の命を奪いたくない。だけど、銀狼の本能を理性で止める事はそんなたやすくない。その事は承知の上である。
「詩織センパイ、帰りましょうよ」
 すみれのその言葉で私は、頭の中で考えている事を停止させた。どうやらすみれは私と一緒に帰ろうと、私のクラスまで迎えに来てくれたのだろう。
「うん、帰ろうか」
 私はそう言って机の上にのっている鞄をとると、席をたった。教室はすっかり夕焼けによって、夕焼け色に染まっていた。すみれと一緒に帰るのは久しぶりだった。小波君から結局は全部借りてしまった、授業内容をまとめたノートを図書室で。自分のノートに必死になって写したりして、なかなか、すみれと一緒に帰る時間がつくれなかったのだ。
 私達は学校の帰り道を歩く。すみれは私に腕を絡ませてきたが、慣れてしまったのか私は何も言わなかった。しかし、すみれは私の事を好いてくれるが、他に好きな人とかいないのだろうか。突然だが、質問をしてみる事にした。
「ねぇ、すみれ。すみれって好きな人とかいないの?」
「いますよ目の前に。詩織センパイじゃないですかっ♪」
 すみれはストレートに言う。私はなんだか恥ずかしくなってしまったのだ。しかし、その時だった。私を見つめているすみれを見た時、強く心臓を握られるように、鼓動が高鳴ったのだ。苦しい。そして破壊衝動にかられる。何かを壊してやりたいと思った。私は瞬間的に絡ませていたすみれの腕を無理やり振り解いた。このまますみれと一緒にいてはいけない。このままでは私はすみれを壊そうとしてしまうと思ったから。
「どうしたんですか、詩織センパイ?」
「今日はもうこの辺で別れましょ」
「そんな、わたしまだ詩織センパイと―」
「だめよっ!!」
 私はすみれを怒鳴りつけると、すみれから少しでも離れるため走り出していた。

 どれくらい走っただろうか。私は息を切らして傍にある壁によりかかった。自宅には帰らず、がむしゃらに走った。そのまま地面にくずれおちる。少しは走ったおかげで胸のざわめきはおさまった気がする。しかしなんなのだろうか、さっきのざわつきは。初めての経験である。落ち着きを取り戻すと、少し口に異物感を感じた。そっと口の中に指を入れてみると、歯が鋭く尖っている感じがした。そして指の爪も伸びている。慌てて鞄の中にある手鏡を取り出し、自分の顔を見ると、瞳に少し紅が混じり、口から牙がのぞいていた。黒髪の色素も薄くなっている。なぜなのだろうか、まだ月は出ていない。それにざわつきと同じでこんな事は初めての経験だ。
 私は足に力をいれて立ち上がると、急いで家に戻らなければと思った。こんな姿を誰かに見られるのは非常にマズイのだ。頭が重たくて立ちくらみがする。私はよろよろとしながらも、バランスを取りながら歩き始めた。体がだるくて歩きにくい、そんな時、誰かに私はぶつかった。
「っ!!」
 今の私に受身をとる程の力はなく、地面に倒れそうになった時、誰かに右腕を捕まれて体のバランスを維持する事ができた。
「おまえっ!?」
 男の人の声だった。私はその男の人を見ると、その男は須賀蔵優馬だった。
「貴様、なんでそんな姿をしている?」
 優馬の質問に私は答える事ができなかった。ろくに会話もできないほど、さっきまでの体力が落ちているのだ。瞼を開けているのも面倒になって、私はそっと瞼をとじた。
 優馬の声が響いて聞こえるが、もう答える事なんてできなかった。

 私が目を覚ました時、そこは薄暗い部屋のベッドの上だった。
「よぉ、やっと目を覚ましたみたいだな」
 私がベッドから起き上がり声の方へ振り向くと、側の机の上に優馬が座っていた。
「どうして助けたの?」
 私の質問に優馬が答える。
「助けたわけじゃねぇ。だがあの状況でほっとくのも気が引けただけだ。それに………」
「それに?」
「俺は小波って奴を殺さなきゃいけねえからな。その囮があんただって事さ」
 私はそれを聞いて、少し身構える。どうやら体はいくらかマシに動く事ができるみたいだ。
「そんなふうに身構えるなって。本当はあんたの血を吸ってやりたかったが、まさか銀狼だったなんてね」
 優馬のその言葉を聞いて、私は爪や自分の顔を手で触った。
「まだ満月が出てねぇから、完全な銀狼になってねぇぜ」
 私は優馬に言われてホッと少し安堵した。しかし不安は消えない。今日は満月の日なのだ。そして初めての胸のざわつき、喉の渇きは一体どうしてなのか、私は躊躇いつつも優馬に聞いてみる事にした。
「ねぇ、一つ質問していい?」
「なんだ?」
「私は確かに銀狼だけど、満月がまだ出ていないのに、姿が半分かわるのはなぜ?」
「はん?そんなの自分が一番よく知ってんじゃねぇのか?吸血鬼の俺に聞くな」
 呆れた顔で優馬は言うが、彼は質問に答えてくれる様だ。
「あんたさ、他の銀狼に血をもらって銀狼になったのか?」
「ええ」
 優馬の問いに私は頷く。
「一度だけ兎綺に聞いた事がある。生身の人間が銀狼に血を貰い、その能力を手に入れると、なんの前触れもなく暴走してしまう事があるってな」
「暴走?」
「あぁ。生まれた時から銀狼の血が流れている奴ならともかく。普通の人間が銀狼の血を貰うと、理性と体が耐えられなくて残虐行為にはしっちまうみてぇだ」
 私はその事を聞いて、背筋がぞっとした。もしかして今の状態は、その暴走の予兆ではないかと。
「私もそうなってしまうの?」
「いや、そいつは分からない。俺は実物を見た事がないし。それに俺だって吸血鬼になったのは最近の事なんでな」
 優馬が首を左右に振って言う。そう言えば、メイドの兎綺はどうしたのだろうか。この家に優馬がいるということは、兎綺もいるのではないのだろうか。
「ところであなたのメイドの兎綺はどうしたの?」
 私のその言葉に優馬の表情が強張った。
「兎綺は別室で寝てる。あいつは血に飢えて体の調子が悪いんだ。俺の血を飲めって言っているのに、言う事をきかない」
「どうして?」
「俺が四代目の当主だからさ。兎綺は当主である俺の血を飲むなんて、無礼なことはできないって言うんだぜ。自分の使命は俺に忠実に従う事だってよ」
 優馬が舌打ちをして言った。優馬は兎綺を凄く心配している。それは兎綺が自分にとって大切な存在だからだろう。その事を私は見て分かった。
「だから俺は小波って野郎を倒さなきゃいけねぇ。そして小波の血を兎綺に飲ませて、それから殺してやる。俺と兎綺は吸血鬼だ。人間の血がどうしても必要なんだ。この闘いは避けられない。兎綺と俺の運命(さだめ)なんだよ」
 机の上に座っていた優馬が立ち上がった。
「あんたはここにいろ。今日は満月だからな。邪魔されると困る。ケリがつくまでそこにいな」
 優馬が部屋のドアを開ける。確かに優馬の言っている事はもっともだ。だけど私は優馬を止めなければとベッドから立ち上がろうとする。しかしまた胸の辺りが握りつぶされるような痛みを伴い、私は床へ体を叩きつける。優馬はそんな私を見下ろすと、ドアを閉めた。
 もうすぐ満月だ。果たして私は理性を維持する事ができるのだろうか―。

 ドアを蹴り破っていた………。そして歩きながら廊下の壁を激しく拳で叩きつけていた。何も理由は無い。ただ怒りだけがある事だけは分かった。この拳を何でもいいから殴りつけてやりたい。この爪で何かを切裂いてやりたい。この牙で誰かの首筋にかぶりつき、噛みちぎりたかった。そう思っていると、獲物が現われた。
「あなたは―」
 その獲物が言葉を言い切る前に、その頭を片手で掴み、床へ勢いよく叩きつけた。
「がはっ!!」
 獲物は口から血を吐き、無様に転げまわる。
「惨めねぇ」
 獲物に侮蔑な言葉をはいてやった。そして腹部を蹴り飛ばしてやった。獲物は勢いよく今度は壁に叩きつけられ、更に血を吐いた。
「くくくくくっ」
 その光景が面白くて腹を抑えてしまう。獲物は床を這いつくばって逃げようとする。あまりにも惨めにだ。
「ねぇ、どこへ行くの?」
 獲物は質問に答えない。だから足でおもいきり踏みつけ動けないようにしてやる。
「優馬様のところへ………」
 獲物は必死になって言葉を紡ぐ。優馬………あぁ、閉じ込めてくれた奴か。アイツにはそのぶんの礼をしてやらなければ。
「あなたを殺すわ」
「っ!?」
 怯える姿がまたいい。獲物にはお似合いだ。
「そしてあんたの大切な優馬ちゃんも殺してあげる」
「いやぁぁぁっっっ!!!」
 断末魔の悲鳴とともに、獲物の腹部を片腕で貫いてやった。

 薄暗い路地を歩いていた俺はふと立ち止った。今、兎綺の叫び声が聞こえた気がする。やはり家にいるとはいえ、兎綺の事が心配だ。それに、あの銀狼も閉じ込めてはいるが、あの不安定な姿をしていた銀狼を見ていた時、少し嫌な予感がした。兎綺には無理をしてでも俺の血を飲ませればよかったと思う。兎綺はとても苦しんでいたのだ。俺が兎綺の血を吸った時、彼女の蓄積されていたエネルギーを吸収しすぎたのだ。兎綺は平常心を保っていたが、内心は凄くつらかったと思う。早く誰かの血を吸わせてやらなければと思った。だが、その為には小波って野郎を殺さなきゃならない。アイツがこの町をうろちょろしていたら、ハンターに吸血鬼がいるという事がバレてしまうかもしれない。邪魔者は排除しなければ。だから兎綺、待っててくれよ。俺の力でお前の喉の渇きを潤してあげるからな。そう思った時だった、背筋をゾクッとさせる程の視線を感じた。それと同時に血の匂い。この血の匂いを俺は知っていた。兎綺の血だっ!!
「っ!?」
 俺は素早く振り向くと、その血を漂わせている者から数メートル離れた。
「てめぇ誰だっ!!」
 薄暗い路地のせいで姿がよく見えない。しかし、その者の着ている制服は血に染まり、特に右腕は真っ赤に染まっていた。手に何かを持っているが分からない。その者が歩き出す。薄暗い路地を照らしている電灯にそいつが近づいた時、そいつの姿をハッキリ視認した。
「お、お前っ!?」
 銀髪の髪を腰まで伸ばし、口元から牙を覗かせ、鋭く光った紅い眼光をこちらに向けている者、それは俺の家に閉じ込めていたはずの、あの銀狼………。
「あなたに会いたがってたから、連れてきてあげたわよ」
 ゴロリと何かが地面に転がる音がした。その何かを見た時、俺は体全体の力が抜けた。
「………兎……綺………?」
 一瞬自分に問い返してしまった。否定したいが否定できないのだ。これはこの何かは―。
「うあぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
 瞬間的に叫び声を上げた。その何かは兎綺の生首だった。瞳を閉じて眠っているかの様に、口元から血を流している。今にも瞼を再び開きそうだが、もう兎綺は既に死んでいた………。そんな俺を嘲笑う様に銀狼は笑っていた。
「………なぜ………、なぜ兎綺を殺した…………」
 俺は兎綺の生首をてのひらで包み込むと、銀狼を睨みつけた。
「理由なんてないわ」
「っ!?」
「殺すのに理由なんてあるの?」
 銀狼が逆に問いただしてきた。何も言えなかった俺は、兎綺の生首を地面にそっと置くと立ち上がる。
「そうだな。そうなんだよなぁっ!!殺す事に理由なんてねぇょっ!!んじゃ俺がてめぇを殺したって別にいいって事だよな?ああっっ!!小波を殺す前にてめぇをぶっ殺してやるよっ!!銀狼っ!!!」
 嘲笑う銀狼に俺は断言した。

 薄暗い路地の道に俺は銀狼といた。他には誰もいない。殺すのならいましかない。相手は銀狼だ、油断はできない。しかしなんなのだろうかコイツは。ふと胸がざわつく。この銀狼は俺を見て嘲笑っている。そして今この瞬間を楽しんでいる。
「どうしたの、向かってこないの?」
 銀狼が笑いながら言った。ほんとにコイツは楽しんでいるのだ。
「じゃあ、私から行くわ―」
 銀狼の姿が一瞬消えた。俺は左右を見る。だが姿を視認できない。足音が聞こえない。つまり―。
 俺は両足に力を込めると、後ろへ素早くバッグした。その瞬間、俺のもといた場所は粉々に地面が粉砕した。銀狼は姿を消したのではない。空へと飛び上がり、全体重を加えて拳を俺にぶつけようとしていたのだ。もしも今のが当たっていたらひとたまりもなかっただろう。しかし銀狼の攻撃はそれで終わらなかった。
「遅いわ、あなた―」
 銀狼は拳によって飛び散った地面の残骸が地面に落ちる前に、俺をギラリと睨むとまた近づいてきやがった。
「うぜぇっ!!」
 俺は近づいてきた銀狼の顔めがけて蹴りを入れる。だがその蹴りはすぐに避けられてしまう。しかも銀狼は俺の蹴った側の足を掴むと、細い路地の壁に叩きつけた。
「ぐはぁっ!!」
 俺の体が壁にめり込み、俺は込み上げてくる赤い血を地面に吐きだした。話にならすぎる。スピードも攻撃も俺の全てを上回っているのだ。だけど俺はここで死ぬわけにはいかない。兎綺の敵をとらなきゃいけない。俺は再び立ち上がった。
「ここで死ぬわけにはいかない」
 俺は自分にそう言い聞かせた。
「ねぇ、なんでそんなに頑張るの?」
 銀狼が問いかける。やはり顔は嘲笑っていた。なぜ頑張るのか。俺よりも圧倒的に強い銀狼を相手にしてなんになるのかだ。銀狼は強い。このまま戦えば間違いなく死ぬだろう。だけど―。
「理由なんていらねぇだろう?愛していた人を守りたかった。だけど守れなかった。兎綺は俺を今まで守ってくれた。どんなときでもなっ!!これからは俺が守っていくつもりだったっ!!だが殺されちまったっ!!てめぇになっ!!てめぇにはわかんねぇだろうなっ!!愛した人を守りたいと、想った人を失った気持ちをなっ!!!」
 これが俺の叫びだ。俺の全ての気持ちだ。その叫びに銀狼は嘲笑う表情を苦痛へと変えた。何が起こったのだろうか。だが今がチャンスだ。俺は勢いよく両足に力を込めると、銀狼に向かって走り始めた。銀狼の首筋に俺の牙で噛みつけばまだ正気はある。俺は走りながら体制を低くして銀狼に近づく。三歩、二歩、一歩、後もう少しで銀狼の首筋に牙をつきつけることができる。しかし―、
「ぐふっ!!」
 俺の腹部を何かが貫いた。腹部に激しい痛みが走る。口から大量の血液を吐き出した。俺は自分の腹部を見る。その腹部には銀狼の腕が貫いていた。
「うぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
 銀狼が叫びだした。その表情は苦痛そのものだった。そして俺の首筋に噛みつく。何度も何度も俺の首を噛み千切るように。
 俺は地面に膝をつけた。己の鮮血が自分の服を染める。結局、兎綺の仇をとることができなかった。俺はここで死ぬ。だけど死ぬのなら、また兎綺にあの世で会う事ができるかもしれない。その時に言ってやりたい。自分の気持ちを兎綺に伝えたい。兎綺……君の事が好きだ…………。
 俺は自分の運命に身を委ね、そっと瞳を閉じた。

 ………私の身に何が起こったのだろうか―。
 意識を取り戻し、開いた瞳の向こうには悲惨な光景が写っていた。
 一つの生首、その生首は兎綺のものだった。そして私の右腕………、その右腕は息絶えた須賀蔵優馬の腹部を貫通していた。
「うっ………あっ………」
 私は喘ぎながら、痙攣する右腕を優馬の腹部から抜き取った。どろりとその腹部から血が溢れ、地面に赤い水溜りをつくった。優馬の体は支えをなくし、地面に人形のように倒れる。私はその死体から離れたくて、這いつくばりながら移動する。けれど痙攣が私の体の全体を支配し、思うように動かない。私は無駄なあがきをやめて移動するのをやめた。その代わり私は思考を働かせた。
 私の記憶には優馬によって部屋の中に閉じ込められてから、今にいたるまでの記憶がなかった。気がつけばここにいた。だけど私には分かる。その空白の時間に私の感情は満たされていたのだ。しかし意識を取り戻した私には違うざわつきが襲っていた。私の腕、制服には血によって赤く染まっていた。口の中にも血の味が残っている。この現状、そして今の私の状態。もう、答えは一つしかない。
「私が二人を殺した………」
 瞳から涙が溢れ出した。私はついに殺ってしまったのだ。人間ではなく吸血鬼だが、彼らの命を奪ったのは事実なのだ。
「やだなぁ………」
 ボロボロと涙が止まらない。歪む視界の中、私はおもむろに地面に落ちていたガラスの破片を握る。私はなんとか路地の壁に寄りかかると、ゆっくりとそのガラスの破片を口にくわえた。もう死にたいと思った。もう生きていけないと思った。口の中にガラスの破片を押し込もうとした、その時―。
「殺めてしまったのね」
 誰かの声が聞こえた。その声の方に目を向けると、一人の女性が立っていた。その女性が私の方に近づいてくる。そして電灯によって姿を視認する事ができた。その女性は………銀狼だった………。私に銀狼の力を与えた張本人の彼女だったのだ。
 彼女は私がくわえていたガラスの破片を奪い取ると、そっと抱きしめた。
「ごめんね、全てわたしのせいだから。あなたは悪くないから………」
 彼女の言葉に私は泣き叫びはじめていた。
 私達を照らす満月、その満月が私達を嘲笑っているようだった。

                   つづく















コメント

こんちわぁ〜マッキィでぇ〜すっ♪『銀狼少女』も七話目の投稿ですっ♪次の話でラスト(予定)です。初挑戦の連載、でも面白く書かせてもらっています。そして書いていると同時に小説の奥の深さ、難しさ強く感じます。自分の想像した世界がどの様に形(文章)として構成されていくのか、ホントに書いていていい経験になります。いろいろな方々からもらえる感想など、ありがたいッスっ!!。これからもよろしくお願いしまッスっ!!